萩尾望都先生の超人ぶり芸術新潮9
話も景色も一度見たら覚えるとか
常に話のストックは100あるとか
先生が人物背景まで全部描いているとか
驚く話だらけでそんな超人があの超作品群を
生み出せるのかと平伏すばかりです。

2024年の8月に発売された「芸術新潮9」は
漫画家、萩尾望都先生の特集号、
「スケッチブックから読み解く、創作のひみつ」
と題して、
・先生の200冊以上に及ぶスケッチブックの中身公開
・萩尾先生のロングインタビューや
・漫画の創作秘話
・アシスタントさんたちが語る萩尾先生や当時のこと
などが語られています。
「芸術新潮9」で
萩尾先生の特集が組まれると知った時には
萩尾先生のスケッチブックの中身って
どんなものかしらと、
かなり気楽な感じを持って
本屋さんで購入しました。
雑誌を一目読んで、そのような軽い気持ちは
吹き飛び
萩尾先生の超人ぶりに「えー!」「えー!!」と
驚きの声がなん度も心の中で連発しましたね。
それほど驚く出来事が多くて
ご本人はそれが普通なので
全くすごいとも思っていないほど
超人伝説をスラスラと語るのですよ。
私もすっかり忘れていましたが
こうした超人能力を持つ方が
漫画家になるものだったと
改めて知らしめられましたね。
超人伝説ぶりを少し紹介しますと、
萩尾先生は景色を一度見て
覚えることができるのだそうです。
そしてそれを紙の上に描いて再現できる。
相当やばい能力ですよね。
映画などを先生とアシスタントさんが見ていて
ふと萩尾先生が「ここ覚えておいてね」と言われ、
アシスタントさんが「無理です」と言ったところとか
驚きました。
昔は今のようにネットやDVDで
映画がいつでも見れる、繰り返し見ることが
できる状況はなかったのですが
すごい話です。
萩尾先生は漫画を描くペースも相当速いそうで
どのくらいかというと
アシスタントさんが丸1日かかるような作業を
萩尾先生はなんと1時間で終わるそうです。
え?・・・
よく漫画家はキャラクターのみ描いて
背景や仕上げはアシスタントさんが描いている
という話をよく聞きますよね。
しかし、萩尾先生はキャラクターをはじめ
背景の線画描きまで
お一人で描かれていたそうです。
衝撃の事実でたまげましたね。
萩尾先生の漫画の絵ってよくよく見ると
本当に細かいのですよ。
人には見えていない部分も見えているので
それはもう普通の方から見たら
理解不能で視覚や脳が気が付かない部分も
描かれているのですよ。
アシスタントさんのお話の中で、
先生が背景を任せられる人がいた
とのお話があったのですが、
その人物は
日本画を描いている方だそうです。
日本画家の方と萩尾先生の打ち合わせも
プロ中のプロ同士が話している会話でした。
例えば
アシスタントに指示を出す漫画家の先生の多くは
描いて欲しい背景があれば
参考の資料を渡して「これを描いて」と言います。
そのほうが早いですから。
資料を渡すのは
親切であるように見えますよね。
しかし、萩尾先生はそんなことはしない。
桃の点描をアシスタントさんが描いたのを見て
「これは桃じゃないコンクリートよ。」と言った先生。
「これは桃と思って描きなさい。」と言った萩尾先生。
当たり前ですけど、
萩尾先生の漫画を作るって
ひとときも
何も考えないで描けるものじゃないのだと
思いました。
アシスタントさんも相当の能力がないと
務まらないと思いますが
アシスタントさんも本当にすごいです。
そんな萩尾先生の超人伝説が
たくさん描かれている「芸術新潮9」は
特集を組むだけあると思いました。
大変見応えのある一冊です。
萩尾先生の漫画って
何年かに一回は定期的に読みたくなるのですよね。
先生の漫画はもう何回か読んでいるのですけど
物覚えの悪い超凡人の私は
すっかり内容を忘れるので
いつも新鮮で読めます。笑
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萩尾望都先生の特集号 「スケッチブックから読み解く、創作のひみつ」
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