- 1 ドラマ「新選組血風録1965」を語り尽くす
- 2 見どころについて
- 3 【見どころ1:ゆっくりとした詳細な描写】
- 3.1 1〜26話、各話の内容と見どころ
- 3.1.1 第1話 虎徹という名の剣
- 3.1.2 第2話 誠の旗
- 3.1.3 第3話 昏い炎
- 3.1.4 第4話 胡沙笛を吹く武士
- 3.1.5 第5話 海仙寺党全滅
- 3.1.6 第6話 鴨千鳥
- 3.1.7 第7話 菊一文字
- 3.1.8 第8話 長州の間者
- 3.1.9 第9話 池田屋騒動異聞
- 3.1.10 第10話 刺客
- 3.1.11 第11話 槍は宝蔵院流
- 3.1.12 第12話 紅花緒
- 3.1.13 第13話 強襲十津川屋敷
- 3.1.14 第14話 狂った盃
- 3.1.15 第15話 脱走
- 3.1.16 第16話 襲撃木屋町二条
- 3.1.17 第17話 鴨川銭取橋
- 3.1.18 第18話 油小路の決闘
- 3.1.19 第19話 あかね雲
- 3.1.20 第20話 その前夜
- 3.1.21 第21話 夕陽の果て
- 3.1.22 第22話 海鳴りが呼ぶ
- 3.1.23 第23話 江戸の月
- 3.1.24 第24話 風去りぬ
- 3.1.25 第25話 流山
- 3.1.26 最終話 燃える生命
- 3.1 1〜26話、各話の内容と見どころ
- 4 【見どころ2:キャラクター】
- 5 【見どころ3:集団での戦闘シーン】
- 6 【おまけ:個別の戦闘シーン】
- 7 ドラマ「新選組血風録」視聴先、DVD販売、その他情報
ドラマ「新選組血風録1965」を語り尽くす
見どころについて
60年代の作品なので描写がゆっくりとしていて
丁寧な作りなので感情移入がしやすく
心から掴まれてしまうので
見終わった後の喪失感が深く数日は落ち込みます。
昔の役者さんや製作陣はすごいね。

ドラマ「新選組血風録」の魅力は
・ゆっくりとした詳細な描写
・キャラクター
・集団での戦闘シーン
です。
【見どころ1:ゆっくりとした詳細な描写】
1965年放送のドラマ「新選組血風録」は
同名の司馬遼太郎さん著「新選組血風録」を原作にしたドラマです。
ドラマ「新選組血風録」では
小説「新選組血風録」とオリジナルストーリーが
併用されていています。
小説「新選組血風録」は時間軸が順不同のオムニバス形式なのですが
ドラマ「新選組血風録」は新選組の人たちがたどる
江戸→京都→大阪→江戸→流山→函館
の順で作られています。
ドラマの1話は約50分なのですけど
どの回も描写が丁寧で
今のドラマや映画とは時間の使い方が全然違い
話の流れはゆっくりとしているのに
一話見終わると1話1話が非常に濃い内容であることに驚きます。
キャラの心情の移り変わりや話の展開を丁寧に描いているので
とても感情移入がしやすいです。
各回山場をきちんと設けており、山場に向かって話を展開するため
全体の話がわかりやすい構成になっていて、なおかつ満足度も高めている。
また、ドラマ「新選組血風録」はドラマ内の京都の景色を
綺麗だなと楽しむ余裕もあります。
ドラマ自体が余白のある作りをしているから
視聴者側も一点に集中してしまいっぱなしということがなく、
景色を見たりする余裕も残されるのではないかと思います。
白黒ドラマ、時代劇に抵抗がなければ
すぐこの世界にハマれると思います。
全26話、見どころがありすぎて
記憶に残る箇所がたくさんあります。
(2024年8月現在)
1〜26話、各話の内容と見どころ
第1話 虎徹という名の剣
池田屋襲撃事件から始まり、近藤勇と愛刀「虎徹」のエピソードがメイン。
近藤がどういう人間なのか、他のキャラの性格や関係性が描かれる。
偽物虎徹を近藤に売るおみねへの態度がとても怖い土方が見れる。
池田屋は6月5日の夏の設定だが、撮影は2月で白い息が出てしまう、
しかし逆に臨場感が出て良かったところ。
池田屋の屋敷は取り壊される予定の本物の建物を使用、戦闘は見どころ。
第2話 誠の旗
土方メイン。京都を舞台に新選組の法度や基礎を作る。
旗を呉服屋の女将と土方が丁寧に作っていく描写が綺麗です。
第3話 昏い炎
土方、近藤、芹沢メイン。芹沢鴨暗殺の回。
芹沢一派暗殺となった経緯が語られる。
芹沢のせいで段々と狂っていく女に青年期の土方(栗塚旭さん)の
困惑するも青年らしい対応が綺麗どころです。
第4話 胡沙笛を吹く武士
新人隊士と10番隊隊長原田左之助メイン。
新人隊士の恋愛は禁止だが隊士の成長を信じ幹部が許すも、
隊士は自ら法度に触れる事件を起こし、隊長原田に始末される。
第5話 海仙寺党全滅
3番隊隊長斎藤一メイン。斉藤が水戸の過激武士、海仙寺党を一人で全滅させてしまう話。
斎藤一の性格や魅力がたっぷり見れる回。
第6話 鴨千鳥
土方と桂小五郎の対決メイン。土方と新選組1番と8番隊の集団戦術が見どころ。
桂の恋人、幾松(いくまつ)と1話で虎徹を近藤に売ったおみねの女性2人も良い。
仲良しの二人なのに連れの男性が敵同士とわかるところは見どころ。
第7話 菊一文字
沖田総司メイン。沖田の愛刀菊一文字の出会いとその後、沖田の病気の薬を
もらいに行った隊士惨殺の敵討ちをする沖田の話。
第8話 長州の間者
若い男女の恋愛と男が知らずに長州の間者(かんじゃ)となり、
新選組新人隊士として入隊するが、新選組によって処断される話。
珍しく沖田が間者の隊士に対して「武士らしくしたまえ」と声を荒げるシーンがある。
第9話 池田屋騒動異聞
監察の山崎烝メイン。山崎と山崎が恨む大高との出会いと山崎の先祖により
酷い仕打ちを受ける山崎の姿が語られる。
池田屋での山崎と大高の長い死闘は見どころ。
山崎の過去である先祖が赤穂浪士という設定は司馬遼太郎さんの創作と言われている。
第10話 刺客
監察の大石メイン。京の絵師・冷泉為恭を襲う刺客達から冷泉を守るため護衛に
ついた大石の一人で刺客全滅の話。
第11話 槍は宝蔵院流
7番隊隊長の谷と3番隊隊長斉藤がメイン。谷の失態で任務中敵により7番隊隊士が全滅。
谷は斉藤に責任転嫁、隊長同士の対決の話。
第12話 紅花緒
下駄屋のせがれが入隊志願するが剣が使えず一度は不採用となるも勘定方で採用となる。
しかし公金受領任務の際に浪人に襲われ公金が奪われてしまい、下駄屋は責任を問われ切腹。
下駄屋の妹に罵られる土方と斉藤が悲しい。下駄屋のダメっぷりがダメすぎて感心。
下駄屋が入隊する際、試衛館メンバーと斉藤の話が和むところがこの回の救い。
第13話 強襲十津川屋敷
過激な倒幕志士の十津川郷士らに市中巡回中の8番隊隊士が惨殺される。
隊長の藤堂は郷士らが集まる日時を突き止め、
8番隊、3番隊と土方が郷士らの集まる十津川屋敷を襲撃。
沖田は所司代の命令で大物の替え玉となり襲ってきた十津川郷士の青年を斬る。
新撰組の集団戦術が見れる。斉藤土方沖田の会話中、斎藤一の爆笑が聞ける。
第14話 狂った盃
山南敬助と試衛館メンバーがメイン。
山南敬助の異変が描かれる。山南の単独行動が悪い方へ進み孤立していく話と
山南に協力した隊士が闇堕ちしていく話。
山南敬助の自分なりにどうにかしようとしているような姿が切ない。
第15話 脱走
伊東甲子太郎入隊と山南敬助の脱走がメイン。伊東と同じ北辰一刀流の山南と
藤堂が伊藤と共にする機会が増える。
山南は伊東と試衛館派の間に挟まれ心の病を患い脱走、
山南を迎えにきた最後まで仲良くしていた沖田に介錯されて切腹。
山南の件で試衛館メンバーが集まり話し合いをするとき、
キャラの特徴がよく出ている会話は見どころ。
沖田が来た時点で諦めが感じられる山南が切ない。
第16話 襲撃木屋町二条
新人隊士たちを井上源三郎が多くスカウト。
新人達と監察で教育係の大石の訓練が少年漫画っぽくて面白い。
しかし新人隊士は無鉄砲と名誉挽回を焦るあまり
残党浪士と新撰組の争い時に敵の持つ銃の前に飛び込んでしまう。
新撰組の集団戦術が見れる。
御簾(みす)に頭をぶつけても何事もなかったかのように
真面目な話を続ける土方が面白い。
第17話 鴨川銭取橋
5番隊隊長として迎えられた武田観柳斎と薩摩藩のつながりが発覚。
新撰組の内情を売り、薩摩藩へ寝返ろうとする武田を新撰組幹部が処置する話。
新撰組幹部らと監察山崎の調査と連携が見どころ。
第18話 油小路の決闘
新撰組から離党した伊藤甲子太郎一派を新撰組が総出で襲撃する。
襲撃時、伊藤派について行った試衛館メンバーの藤堂平助を
永倉、原田、斉藤、沖田は斬ることができず逃げるが、土方の手により藤堂は最期を迎える。
斎藤一を伊東派の間者にさせるところが面白く見どころ。
新撰組の集団戦術が良い。
第19話 あかね雲
斎藤一と町で出会った辻占うりの少女、しーちゃんがメイン。
新撰組が大阪へ撤退準備をする。
斉藤は出会ったしーちゃんを悪い親方から
引き離し良家の養女にしてくれる所を探す。斉藤は全財産をしーちゃんの養育費に
当てようとするが、しーちゃんは病死してしまう。
いじめられるしーちゃんにとおりゃんせを歌ったり戸惑いながらも
優しく接する斉藤が見どころ。
第20話 その前夜
伊藤甲子太郎一派の残党から銃撃を受け重傷を負う近藤と病気が重くなった沖田は
大阪城へ療養。新撰組も京都から大阪へ移動。
王政復古が成り長州勢が最新武器を携えての上京を目撃する
新撰組から脱走者が相次ぐ。鳥羽伏見の戦い前に原田のみ大阪から京都へ
嫁の出産のために戻り京都市民の日常風景が見られるシーンは貴重。
新撰組が弱まっていく姿が始まる。
第21話 夕陽の果て
鳥羽伏見の戦いメイン。池田屋以来の監察山崎の戦闘ぶりが見ものだが重傷を負う。
戦いで井上源三郎死去、新撰組の残りは21名となる。
多くの敵に包囲された山中を永倉が重傷の若い隊士背負って実家に送り届けるが隊士と
家族は死去してしまう。
官軍からの連続した爆撃や銃撃が新撰組隊士らに近すぎて、
今ではできない危険さのおかげで臨場感がすごいところは貴重。
第22話 海鳴りが呼ぶ
船に乗り大阪から江戸へ敗走する新撰組がメイン。
山崎と許婚の結婚式を残った隊士で執り行うも山崎は船上で死去する。
病気の沖田と看護をする斉藤の姿が微笑ましい一時。
第23話 江戸の月
新撰組は甲陽鎮撫隊として甲府で官軍と戦うが負ける。
永倉と原田が新撰組から去る。
第24話 風去りぬ
沖田総士メイン。沖田最期の話。
(※24話以降、ドラマの中で各エピソードの時間軸が前後する。)
沖田の療養先に近藤と土方、次に流山へ向かう斉藤が訪れ、
最後にもう一度土方が訪れ沖田と最期の別れをする。
それぞれの別れの仕方が切ない見どころ。
第25話 流山
近藤、土方、斉藤メイン。近藤最期の話。
近藤らが流山で多くの隊士や武器を集め戦闘準備を進める中、土方の姉夫婦と子供が官軍に捕まる。
流山が官軍にバレてしまい官軍から近藤に出頭命令が出る。
命令に従う近藤と官軍と戦ってでも行かせたくない土方の衝突が切ない。
本当に二人の深い縁を感じさせるシーンが見どころ。
時間軸は前後するが、死の間近に近藤に呼ばれる沖田の半狂乱姿も見どころ。
最終話 燃える生命
土方、斉藤メイン。函館五稜郭の戦いで戦死する土方の話。
宮古湾海戦に敗れる旧幕府軍、もう勝ち目はないとする時、
土方が斉藤へ脱出しろと最後の命令を下す。
最終話は半分現実、半分夢の中のような構成。
夢の中は土方が星空の中に出てくる近藤と会話をしたり、
斉藤が脱出し、一人となった土方の前に現れる沖田に話しかけたりする。
夢の中の話がよくできていて見どころ。
フランス式軍服姿の土方(栗塚旭さん)が美しく見どころ。
【見どころ2:キャラクター】
キャラクターへの愛着
ドラマは試衛館メンバーと斎藤一、監察の山崎烝が
各話の主人公やサブとなる話が多く
一人一人の性格や良さがちゃんと伝わる
エピソード作りをするので
一人一人に自然と愛着が湧きます。
回を重ねるごとに主要メンバーたちに親しみが出て
愛着が湧きすぎ
ドラマの後半からこの主要メンバーたちが
次々と亡くなっていく話を見る頃には
切なくて、心が辛くなっていくのがキツイです。
また、主要メンバーを演じている役者さんたちが
本当に無理なく自然に演じるところが非常に素敵なのですよ。
演じているという感じが見えないくらい
歴史上の人物本人に見えてきてしまい
しかも面白くて根がみんな明るそうなので
役者さんたちにも
愛着が湧いてしまうのですよ。
困ったドラマです。
以下キャラクターと演者さんを並べてお伝えします。
斎藤一を演じた左右田一平さん。
沖田総司を演じた島田順司さん。
ドラマで特に気になった存在はこのお二人。
このお二人を見た時は、
「東京にこういう頭の偉い人でひょうひょうとした性格の人いるー」
って思いましたね。
馴染みの人という感じでとっつきやすいお二人でした。
ドラマの中では、
このお二人の仲良い姿が描かれていまして
しょっちゅう将棋をしていたり隣同士で寝ていたりする姿が
微笑ましかったです。
(隣同士で寝ているのは沖田の病気が重くなってからです。)
一方で戦闘になるとこの二人が超強いのですけど
戦い終わった途端ひょうひょう姿に戻り
何事もなかったかのように振る舞うのですが
微笑ましさとひょうひょう姿とつよつよの
ギャップが萌えどころです。
驚いたところは、
死ぬ間際の沖田演ずる島田さんがガリガリに痩せて
近藤さんの声に半狂乱となる姿が驚きました。
あと、目に感情表現が出るのがすごくわかる。それも驚きました。
斉藤一は上官命令は必ず従い、感情が乱れないのですけど
最終話での土方からの脱出命令で初めて逆らい
土方とここで死ぬと言い涙する姿は驚きました。
切ない姿でした。
原田左之助を演じた徳大寺伸さん。
井上源三郎を演じた北村英三さん。
このお二人は近所の面倒見の良いおしゃべりおじさん、
会社にいるしゃべりやすいおしゃべりおじさんという感じで
話している時が面白かったです。
日常話や世間話の会話を面白そうに
聞かせてしまうのって人として得ですね。
原田さんは特におしゃべりすぎて面白かったです。
井上さんはこよりを山ほど作っていたり
沖田に「おじいちゃん」って言われていたのが
面白かったです。
このお二人もとっつきやすいお二人でした。
お二人は素だったのでではと思うのですが、どうなのでしょうか。
山南敬助を演じた早川研吉さん。
藤堂平助を演じた国一太郎さん。
このお二人はは北辰一刀流組。
早川さんの山南敬助は
顔の彫が深くおしゃれ髭姿が艶っぽい男で
これモテるだろうなという風貌でかっこよいです。
多くの山南敬助の中で早川さんの山南敬助姿が私には一番しっくりきましたね。
藤堂さんは伊東甲子太郎の回まであまり目立つところは
ないのですが、みんなと話をするときに
人が良さそうな温厚そうなお顔していてニコニコ話すので、
藤堂さんも近所の真面目な良いおじさんというイメージがして
親しみやすかったです。
このお二人は試衛館メンバーなので
ドラマの最初のころにみんなで仲良いエピソードがあるのですけど
山南さん藤堂さんの最期が試衛館メンバーにより迎えることになるのは
胸が痛いですね。
驚いた点は、
山南さんのどうにかしようとする思いや
自身のやる事が空回りしていくのや、こういう感じの人が心を病んでいくのかと
ドラマを見ていてよく分かりましたし、
このドラマの丁寧なキャラクターやエピソード作りが
この二人と試衛館メンバーの切なさを倍増させたところです。
永倉新八を演じた有川正治さん。
山崎烝を演じた坂口祐三郎さん。
永倉新八はあまり多く語らないキャラで
ドラマ後半で主人公になる回まで
あまり目立つことのない存在でしたが、
主人公の回は多くの敵に包囲された山中を
怪我した若い隊士背負って実家に送り届けるシーンは
漢でしたね。
隊士とその家族も亡くなってしまうのですが
黙々と歩いて大阪へ戻る姿も漢でしたね。
山崎烝は有能な監察なのですが山崎役の坂口さんの戦闘スタイルが
少年漫画原作アニメのヒーローキャラみたいなのですよ。
敵を斬った後に振り斬ってくれたり、全力で飛び込んでいくので
本当にアニメみたいです。
山崎烝が主人公の回「池田屋騒動異聞」での
山崎と山崎が恨む大高との戦いは
新選組血風録の戦闘シーンの中でも
1位2位に上がるような素晴らしいシーンだと思います。
異例とも言える約3分の二人の死闘は
本当に今時の少年漫画アニメと同じくらいに
動き回り切り合い揉み合いで目が離せなく、
さらに大高にとどめをさす坂口さんの刀の振り斬り2回は
カッコ良すぎでした。
短刀だった点も剣の速度が出て、良さを倍増したと思います。
このシーンを見ていてヒーローがいるー!と思ったら
坂口さんはこのドラマの後、あの有名な
テレビドラマ「仮面の忍者赤影」の赤影役となります。
これだけ動けてイケメンで、ニコッと笑うとかわいい姿は
人気になるだろうと納得しましたね。
それと池田屋を襲う際に山崎さんが近藤さんと話しているとき、
着物の裾を足でまくし上げて帯に入れる仕草は
なかなか見れないので良かったです。
近藤勇を演じた舟橋元さん。
土方歳三を演じた栗塚旭さん。
新選組血風録の近藤さんは笑っている時が多く
虎徹のエピソードで描かれる近藤勇の性格が
どちらかというと面白いエピソードなので
写真で見る本物さんよりかなり
親しみやすいキャラをしています。
舟橋さんは目もまんまるでかわいい系をしていて怖さがないし、
話もよく聞いてくれて反対意見でも「君の意見も最もだと思う。」と
受け入れるところなど、人の意見も聞いてから行動したり決めたり
するところは良いなと思います。
そういうところもとっつきやすくて親しみやすいですね。
しかし、親しみやすいと最期がつらいんですよね。
官軍から出頭命令が出てからの
近藤さんと土方さんの話し合いは本当に切ないです。
官軍の元へ向かう近藤さんを送らないと言った土方が結局追いかけ
土方に呼ばれて振り返る近藤さんの
「歳さん」と言うところは
忘れられないですね。
血風録ドラマの中で1番の切ないシーンでした。
最後に土方歳三ですが、
土方歳三を演じた栗塚旭さんがいたからこそ
原作者司馬遼太郎先生の了解を得て
このドラマの制作が決定したそうですね。
ドラマを見ると本当によく分かります。
姿も性格も会話も土方歳三にしか見えないです。
土方歳三=栗塚旭さんという点が
結局はこのドラマの一番すごいところですね。
一方で近藤さんを好きすぎなのが萌えどころですが。
ほぼ仏頂面の土方さんですけど
沖田総司とやりとりする時は一番笑顔が見れましたし、
(爆笑とかはない。)
良い仕事をした隊士には感心して微笑みながら褒めるところもあり、
仏頂面とのギャップは魅力的に見えるところです。
怖いと思ったところもあり、
伊東甲子太郎一派と新撰組の戦いの時や、武田観柳斎が御用聞きに
手紙を渡して届けてもらう際に、
土方がそれを無言で取り上げて読んでしまうところなどは
怖かったです。
しかし、しっかりとしているところとは反面、
最後の函館では星空の中に出てくる近藤さんとお話ししていたり、
幽霊のように出てきた沖田総司と会話するエピソードを見ると、
この頃の土方さんはもう半分おかしくなっていたのかな
とも見えますね。そうなってもおかしくない歩みですし。
このエピソードは誰も知らない土方歳三の心の中の一面という感じで
好きなエピソードであります。
【見どころ3:集団での戦闘シーン】
ドラマ「新選組血風録」の
集団での戦闘シーンはこういう形で戦うという
戦略を詳細にドラマで見せてくれるので資料にもなるし
とにかくカッコよく演出してくれるので
どの戦闘も見ごたえがあります。
集団での戦闘シーンでカッコよかったのは
・池田屋
・新撰組伊東甲子太郎一派を一網打尽
・桂小五郎vs新選組
です。
池田屋
池田屋は「第1話 虎徹という名の剣」と「第9話 池田屋騒動異聞」の2回あります。
第1話は近藤中心、第9話は山崎中心。
舞台が取り壊す予定の建物を使っただけあって作り物感がなく、
壊すから思い切りやれたのが良かったのかもしれません。
第1話は冒頭10分くらい池田屋シーンなのですが、
建物の室内をはじめ階段廊下、押し入れ、屋根、屋根から降りて路上、河原の
至るところで斬ったりゴロゴロ転がったり飛び降りたり、刀や槍で戦い
キャラ数も多いので飽きません。
また、暗い中月明かりくらいのライト設定という点も目が動いているものに
より集中させるし、暗闇はドキドキ感も増し、
刀で切る音と祇園祭のお囃子の音、
そういった感覚を刺激する効果もあり、
見ていて見事にハラハラドキドキさせていただきました。
第9話は山崎中心で上記のキャラクター山崎のところでも
語っていますが、山崎の少年漫画アニメヒーローのような
戦闘ぶりがとても良いです。こちらも10分くらい池田屋シーンです。
新撰組伊東甲子太郎一派を一網打尽
「第18話 油小路の決闘」では、伊東と近藤が夜に一席設けた後、
帰路中の伊東甲子太郎を原田が槍と刀で惨殺。
伊東の死を番所に知らせ伊東一派がその知らせを聞いて
油小路に来たところを新撰組が集団で襲います。
人数がとても多く、カメラは引いたところから捉えてますが
暗闇の中を四方八方から新撰組が伊東一派になだれ込み
斬り合いが始まるので迫力あります。
試衛館仲間が敵同士となっている状況でもありますが、
伊東派の藤堂平助と新撰組の永倉、原田、斉藤、沖田は
戦闘中に藤堂と対面しても斬ることができずに逃げますが、
藤堂と対面した土方が永倉、原田、斉藤、沖田の目の前で藤堂を斬ります。
地面に倒れた藤堂をしばらくの間5人が見守りますが、
他の隊士が来ると動き出す姿が、
心の切り変えをしたようで切なく見えました。
話が前後しますが、
藤堂が土方を見つけたとき、土方がゆっくり歩いて物陰から出てくるので
ラスボス感があり怖いです。
隊士に命令を出す土方さんの声が大きくてよく通るのでさらに怖さ倍増です。
暗闇で伊東甲子太郎の死体を運んだり、
伊東一派の死体を一箇所に集た後、全員で刀をしまい引き上げていく姿も怖いです。
桂小五郎vs新選組
「第6話 鴨千鳥」で新撰組が桂小五郎の潜伏する料亭を襲います。
土方指揮の元、1番10番隊の新撰組が
軍隊のような隊列行動をするので構図が綺麗で目を引きました。
この構図はオンデマンド視聴の新撰組血風録の画像や
YouTube東映公式の新撰組血風録のサムネイルでも使われています。
※下記、公式東映時代劇YouTubeで見れます。
集団での戦闘シーンは他にもあります。
各話の内容紹介をしているところに書いておきましたので
ご参考ください。
【おまけ:個別の戦闘シーン】
土方vs浪人二人
第3話、芹沢達に雇われたと思われる浪人ら二名に襲われたところを惨殺。
日本橋のような橋を中央に橋のたもとで襲われ惨殺する構図が綺麗。
斎藤一vs海仙寺党
第5話、海仙寺党と戦う前に斉藤が海仙寺党が外出から戻る前の寺に侵入し、
内装や床などを調査して蝋燭を消し、そのまま潜んでいるところが丁寧で贅沢で良い。
山崎vs大高
第9話、池田屋の山崎は上記でも語っていますが、素晴らしいです。
少人数の戦闘もあるのですけど
集団で戦うときとは違いがあり、少数でも浪人達や、いかにも悪そうな人達を
見つけるとパッと戦法を伝えて戦い始めます。
そういうシーンも幾度か出てきます。
ドラマの中では集団、少人数、個別での戦闘がありパターンも多いので
新鮮ですし、飽きないです。
カッコよく演出してくれる製作陣や
役者さんもみんな若かったでしょうから
動けること、
昔の役者さんの刀の扱いや、刀を持った動きがかっこいいので
そういうところも魅入ってしまう点を作る要素ですね。
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新選組血風録DVD購入
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◾️ドラマ「新選組血風録」Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E9%81%B8%E7%B5%84%E8%A1%80%E9%A2%A8%E9%8C%B2_(%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)
◾️新選組血風録 第01話[公式] 東映時代劇YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=P6Lj195hmlg