「吉川英治全集」に見る昔の本は贅沢な作りだった
久しぶりにガッツリと物語が読みたくなりました。
しかし、お目当ての話が収録された本が現在では本屋にも電子書籍にもなく、
図書館でしか見つからなかったため、予約して借りてみました。
すると、その本の作りの豪華さに感激しました。
昭和40年発行の本で、文章は上下2段組という懐かしい形式です。
しかし、感動したのはそれだけではなく、吉川先生の小説に加えて、
有名な画家が手掛けたカラーの挿絵が数枚添えられているという、
非常に豪華な作りだったのです。
その挿絵が大変素敵で、思わず見惚れてしまいました。
カラー挿絵の画家たち
以下の方々が挿絵を手掛けています。
• 中尾進先生
• 風間完先生
• 山本武夫先生
いずれも画家であり、時代小説の挿絵を数多く手掛けた方々です。
吉川先生以外にも、松本清張先生、司馬遼太郎先生、池波正太郎先生などの
小説の挿絵も担当しており、
ご存じの方も多いのではないでしょうか。
どの絵も素敵で、思わず見入ってしまいました。




本の豪華な作り
この本は吉川英治先生の全集の一冊ですが、小説と挿絵以外にも、
吉川先生がお子様と一緒にいる様子を写した写真も掲載されています。
お子さんと戯れて笑顔を見せる先生の姿が和やかで、思わず物思いにふけってしまいました。
その写真は昭和27年に撮影されたもので、
また、挿絵は昭和40年発行の本に掲載されていることから、
同時期に制作されたものと思われます。
昔の時代を見る不思議さと絵の魅力
この本が作られたのは私が生まれる前の時代ですが、
吉川英治全集に収められた写真や絵、小説を通じて、
知らない時代を垣間見るのは不思議な体験でした。
見たことのない世界なので、どこか新鮮に感じられます。
また、挿絵に描かれているのは、昭和よりもさらに昔の時代の物語ですが、
絵がとてもおしゃれで格好良く、その時代が素敵に思えてきます。
絵が持つ力は本当に偉大だと感じました。
昔の時代小説の挿絵の魅力
昔は時代小説におしゃれな日本画風の挿絵がついているのが当たり前でしたが、
今見ると改めてその良さを実感します。
この素晴らしい文化をもっと普及させたいと思い、今回ご紹介しました。
挿絵を描かれた先生方を知りたい方は下記をご覧ください。
◾️中尾進 東京文化財研究所アーカイブス
https://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9458.html
◾️中尾進「挿し絵でみる司馬作品」展 企画展|司馬遼太郎記念館
https://www.shibazaidan.or.jp/exhibition/?p=425
◾️風間完 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A2%A8%E9%96%93%E5%AE%8C
◾️挿絵画家 風間完 昭和文学を輝かせ、美人画を描き続けた人生 平凡社https://www.heibonsha.co.jp/book/b635811.html
◾️山本武夫 画集
http://www7.plala.or.jp/karaokecity/takeo.yamamoto.b.html
◾️山本武夫 美女千人城 挿絵(19枚)
https://jp.japanese-finearts.com/item/list2/A1-91-388/Yamamoto-Takeo/Illustration–19seets?
◾️吉川英治 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E5%B7%9D%E8%8B%B1%E6%B2%BB