1938年時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」に見る阪東妻三郎さんのナメられない座り方

1938年時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」に見る阪東妻三郎さんのナメられない座り方

昔の時代劇映画では、一つ一つの動作にポーズがつくことがよく見られます。
見栄えをよくするための演出でもありますが、それが映画の内容に合っていて、
さらに格好良く、魅的に見せられるかどうかは、役者や演出家の腕の見せ所だと思います。

そして、阪東妻三郎さんクラスになると、もはやポージングも国宝級ですね。
このポーズを見た瞬間、衝撃を受け、忘れられない記憶となりました。

シーンの内容とも見事に合っており、このポーズが似合う人もそうそういないこともあって、
あまりの衝撃に思わずイラストに納めました。
実際は、私の絵よりも遥かにかっこいいですよ。

阪東妻三郎さんのポーズのシーン

1938年の時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」で、阪東さんは大石内蔵助を演じています。
物語の中で、大石内蔵助は吉良上野介討伐のため江戸へ向かう際、
「九条家諸太夫・立花左近」という偽名を使い、とある宿に泊まります。

しかし、そこへ片岡千恵蔵さん演じる本物の「九条家諸太夫・立花左近」が現れ、
面会を求めてきます。
大石内蔵助にとっては、偽名を使っていること、
吉良討伐を企んでいること、そして正体がバレてはいけないという、非常に緊迫した状況です。

しかし、それでも蔵之介は「本物の立花左近と会う」と言い、二人は対面します。
そして、立花左近(片岡千恵蔵さん)が蔵之介の部屋の襖を開けると、
イラストに描いたポーズで待ち構える大石内蔵助の姿が・・・。

それを目にした立花左近は、立ち止まり、目を見張ります。
まさに、偽物でありながら「本物は自分だ」と言わんばかりの堂々たる構え。
この状況でこのポーズを取る大石内蔵助を見たら、立花左近が驚くのも納得です。

「ナメられてはいけないポーズ」

このポーズを「ナメられてはいけないポーズ」と勝手に名付けましたが、
これを完璧にこなせるのは、阪東妻三郎さんクラスの役者しかいないと思います。

忠臣蔵はこれまでに何度も映画化されており、
立花左近のエピソードが描かれることもありますが、
このようなポーズを取ったのは阪東妻三郎さんだけですね。

他の作品では、普通に座っています。
阪東さんのこのポーズを超えるものがないため、
あえて普通に座る演出にした可能性もありますね。

他の忠臣蔵映画では、立花左近のエピソードは特に印象に残るものではありませんでしたが、
阪東さんの演じる大石内蔵助によって、このエピソードが強く記憶に残り、
感動的なシーンになりました。
役者によってここまで印象が変わるものかと実感し、
改めて阪東妻三郎さんの偉大さを思いました。

1938年時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」の視聴方法

この映画は東映オンデマンドやAmazonプライムで視聴可能です。
単品購入やサブスクリプションで楽しめます。(※撮影は日活)

大変古い映画で、歌舞伎的な演出も多いため、古い時代劇に馴染みがないと
少しとっつきにくいかもしれません。
しかし、阪東妻三郎さんをはじめ、片岡千恵蔵さん、嵐寛寿郎さん、月影龍之介さんなど、
豪華なキャストが集結しており、その圧倒的な演技力に引き込まれる中毒性があります。

上映時間は1時間40分と、忠臣蔵映画の中では短めですが、内容の濃い作品になっています。
数ある忠臣蔵映画の中でもおすすめの一本です。

◾️1938年時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」
https://amzn.to/4gQquhT

忠臣蔵の映画を初めて見る場合は、
下記のブログで紹介している
1959年東映映画「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」
を最初に視聴する方が見やすいし楽しめると思います。
カラーですし。

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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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