1938年時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」片岡千恵蔵さんの右目と左目の怒りの表現

1938年時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」片岡千恵蔵さんの右目と左目の怒りの表現

浅野内匠頭を演じた若き頃の片岡千恵蔵さん。
吉良上野介への刃傷に及ぶ直前のシーンで、
松の廊下にて後方から吉良様がお越しと坊主が告げた瞬間、
浅野の右目は光のないドス黒い色をしていました。

しかし、カメラに背を向けて吉良のいる方向へ振り向いた際に見えた左目は、
まるで獲物を狙う爬虫類のように鋭く、金色に光っているように見えました。

この一瞬で左右の目に異なる怒りの表現を見せた片岡千恵蔵さんのすごい演技。
映画は白黒ですが、私の目にはそのように見え、
脳がイメージを作り出したのかもしれませんが、
その迫力に息が止まるほど驚きました。
片岡さんが演じる浅野内匠頭は、まさに最強の一役です。

私がイラストにするとキャラが幼く、
また表現力が乏しいので片岡さんのすごい演技を再現できませんが
このような感じです。
ご興味ある方は映画をみてください。

1938年時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」について

この映画については、これまでもブログで語ってきましたが、大変な名作です。
ただ、時代劇を見慣れない方や、白黒映像に馴染みがない方、
歌舞伎のノリが分からない方には、 やや難解に感じられるかもしれません。
そのため、初めて忠臣蔵を見る方には別の作品を勧めることが多いですが、
時代劇に慣れたらぜひ観てほしい素晴らしい作品です。

見どころが多すぎるほどの作品ですが、その中でも特に注目したいのが、
片岡千恵蔵さん演じる浅野内匠頭の感情表現です。

片岡さんはキャラクターの心情を表現することに非常に優れた俳優で、
一つの映画の中でこれほどまでに感情の豊かさや深みを引き出せる方は稀だと感じます。
様々なキャラクターの表情を見せてくれる片岡さんの演技には魅入ってしまいます。

松の廊下での怒りの表現

特に衝撃を受けたのは、松の廊下での怒りの表現です。
しかも、それが左右の目というごく小さな部分で表現されていたことに驚きました。
このシーンでは、浅野内匠頭がカメラから見て右目と左目がそれぞれ片方ずつ
見えるように捉えられています。

浅野内匠頭は吉良上野介から長年嫌がらせを受けており、
怒り心頭ではあるものの、それを抑えてきました。 しかし、ついに堪忍袋の緒が切れ、
松の廊下で吉良に刃傷に及ぶことになります。

その瞬間の目の表現が本当にすごかったのです。

坊主が後方から「吉良様がお越し」と告げた時、 浅野はその言葉に反応し、右側へ少し首を傾けます。
その時、カメラに映る右目は光のない黒い色をしており、
吉良という言葉を聞いたことで感情が大きく動いたことが伝わります。

その後、浅野はカメラに背を向ける形で後方を振り返ります。
これは珍しいカットで、 通常であれば、
役者の顔がよく見えるようにカメラの方を向いて後ろを見ることが一般的です。
しかし、この時は完全に背を向けました。
「おや?」と思った次の瞬間、その理由が分かりました。

カメラに背を向け、振り返った浅野内匠頭の左目が映った時、
その目は先ほどの右目とはまるで違うものでした。
まるで獲物を狙う爬虫類のように鋭く、金色に光っているように見えたのです。

その左目には、先ほどの静かな怒りとは異なり、
激しく燃え上がるような怒りが込められていました。

この瞬間、まるで恐ろしい何かを目にしたかのように息が止まりました。
このように、ほんの一瞬で左右の目に異なる感情を込めた片岡千恵蔵さんの演技には、ただただ驚愕
片岡さんの左目を見た時、「人間もまた動物なのだ」とさえ思ってしまいました。
そして、これほどの演技を30代という若さで見せる片岡さんの才能に、改めて圧倒されました。

私の脳が見たイメージかもしれません

ただ、お断りしておきますが、 片岡さんの怒りの表現は間違いなく素晴らしいものの、
私が見た爬虫類の目や金色の光は、実際には存在しません。
なぜなら、この映画は白黒であり、色が見えるはずはありませんし、
人間が爬虫類の目をするわけもありません。

これは、私の脳が強烈なイメージとして補完したものだと思います。
したがって、同じシーンを観ても、私と同じように見えない方もいると思います。
それでも、片岡千恵蔵さんの目の演技が素晴らしかったことに変わりはありません。

1938年時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」の視聴方法

この映画は東映オンデマンドやAmazonプライムで視聴可能です。
単品購入やサブスクリプションで楽しめます。(※撮影は日活)

片岡千恵蔵さんの二役。
映画の中で片岡千恵蔵さんは、 浅野内匠頭と立花左近の二役を演じています。
どちらも全く異なる役柄ですが、忠臣蔵映画の中ではどちらも重要なキャラクター。
片岡さんの豊かな表現力を存分に楽しめる作品となっています。
ぜひ、観てみてください。

◾️1938年時代劇映画「忠臣蔵 天の巻・地の巻」
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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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