【阪東妻三郎さん×マキノ正博監督】本日6月24日は映画『恋山彦』の撮影日!カチンコに刻まれた日付と、2026年の今も色褪せない二人の若き笑顔
この写真は私の宝物でございます。
今から89年前の今日、6月24日に、私の好きな映画の一つである阪東妻三郎さん主演、マキノ正博(雅弘)監督映画『恋山彦』が撮影されておりました。その撮影時の貴重な写真です。国立映画アーカイブ 展示室(7階)常設展「日本映画の歴史」にて、この撮影写真が展示されていたのですが、見つけた時は感動のあまり立ち尽くしました。

写真右手の阪東さんの、この良い笑顔!たまりません。阪東さん、小源太のメイクはご自分でなさっていたとマキノ監督の本に書かれていたのを見た時は、スーパースターでもメイクは自分でしていたのかと驚きました。また、小源太の兜をつけたフル正装の甲冑姿も映画本編ではとても少ないので貴重です。
そして、写真左手にいるのはマキノ正博監督です。役者もやっていたので、さすがハンサムですね。持っているのはカチンコだと思いますが、そちらに日付が書かれております。6月24日。書かれている「S」はシーンですが、「C」ってなんでしょうね。カットのことかな?現在はここが「C」ではなく、「take(Tですね)」と書かれていると思います。
『恋山彦』は日活に阪東さんが移籍して第一作目の作品で、同じくマキノ監督も日活入社1作目。お二人ともまだ若い頃ですね。映画を撮影している時のお二人は、それから89年後、2026年の未来に『恋山彦』がまだまだ見られているとはまさか思ってもいないと思いますが、なんだかひどく懐かしいという気持ちが芽生えるのは不思議な心境です。
『恋山彦』の映画の話を少ししますが、原作は吉川英治さんが書かれております。小説では最後が可哀想な終わり方で、読んだ時は落ち込んでしまい、二度と見たくないほど暗くなるのです。一方、映画『恋山彦』は最後を変え、小源太とお品が生きている状態で終わらせてくれます。そうしてくれたことで映画『恋山彦』は何度でも見られる作品となり、そこだけは「マキノ監督本当にありがとう」と感謝したいくらいです。
小説って結構容赦ないことが書けるのですけど、そこが小説の良いところでもあるのですが、映画の方は逆で、あまり容赦のないことはしていない気がします。特にこの時代の映画は、あまり可哀想なシーンは見せないようにしていたと思います。映像は文字より目から入るインパクトが強くなるので、見る人のことを考えて原作を変えることをしていたのではないかと思います。
映画『恋山彦』については、このブログでも何度も取り上げているのですけど、この作品は映像はもちろん、出演している人も何もかもが凄い作品です。見るたびに新たな発見をするという不思議な映画で、飽きのこない作品。元は前後編作品ですけど、現在は1本の総集編となっているところは残念でなりませんが、これからも繰り返し見るだろう作品です。