【1924年映画『国定忠治』】澤田正二郎主演「殺陣」の祖が魅せる本物武士の血と伝説のポーズ

【1924年映画『国定忠治』】澤田正二郎主演「殺陣」の祖が魅せる本物武士の血と伝説のポーズ

国定忠治が初めて映画化された作品。主演は新国劇の創設者・座長の澤田正二郎さん。劇団専属の作家・行友李風(ゆきとも りふう)さんと澤田さんが「殺陣」という言葉を作り、大殺陣が世に出てきたのも澤田さんから。さらに澤田さんはスピーディーなチャンバラができたそうで、当時新国劇には映画にもなっている有名な殺陣師・段平がおり、この段平による演出もありますが、何より澤田さんの父親が現役の日本武士(郷士)で熊本籠城で活躍した人物という、その武士の血が何より大きいのではないかと映画を見て感じてしまうところです。

作り物のチャンバラとリアルな武士の戦いは違うでしょうが、架空としても澤田さんの帯刀している忠治の姿、所作、刀の扱いなど、他の役者さんたちとは異なるものを感じます。とにかくちょんまげ・着物・股引(ももひき)・刀がよく似合う。似合うなんてもんじゃない。私達は昔本当にこうだったんだなとDNAが肯定するような、大変心地よいような、懐かしい感覚に陥ります。だからでしょうか、この映画を何回も見てしまいます。

サイレント映画なので国定忠治の話がわからないと意味がわからないかもしれませんが、わずか30分なのによくまとまっており、忠治の話で有名な赤城山・山形屋・そして病に倒れている中を捕り手たちに捕縛される話が入っており、かなり詰め込まれているにも関わらず、決めどころ、チャンバラ、面白いところ、国定という人物、澤田さんならではのシーン、のんびりしたり忙しくなったり、流れに緩急があり、他にも色々とあるのですけど、この辺は監督マキノ省三さんの手腕と言ったところで、流石の一言に尽きます。

澤田さんならではのシーンというのは、例えばイラストでも描いた、澤田さん演じる国定忠治が愛刀を左手に持って構え、見上げるような姿があります。他の方が演じる国定でこの立ち姿・ポーズはかなり使われておりますし、新国劇で国定忠治の殺陣をつけた殺陣師・段平が映画化されていますが、その中の段平もこのポーズをやっています。多くの人に影響を与えたこのポーズですが、澤田さんが一番似合います。段平が澤田さん用につけたので当たり前ですし、本家本元なので似合うのは当然ですけど、何回見てもいいシーンだなと思います。このシーンのカメラも素朴なんですけど良いです。

澤田さん以降、時代劇映画のチャンバラがどんどん派手になっていくのですが、この人が始まりだったのかということも驚きですが、リアルに肉親に武士がいたという人が演じる武士(国定忠治は武士ではなく渡世人)の姿が何よりインパクトが強すぎて、さんざんこのブログですごいと語っている歌舞伎勢の役者さんたちも、澤田さんの前ではかすんで見えるほど素敵な役者さんだなと思いました。

澤田さんは36歳の若さで急死されてしまったので、わずか数本の映画出演作品しかないことが残念ですが、この国定忠治の1本の威力が凄すぎるので、「残してくれてありがとう」と言いたいですね。

この貴重な作品は国立映画アーカイブさんが無料で見られるようにしてくれています。下記で見られますので、ぜひ澤田さんの国定忠治をご鑑賞ください。

◾️「國定忠次」 主演・澤田正二郎 監督・マキノ省三 
国立映画アーカイブ はじまりの日本劇映画 映画 meets 新派・新劇・新国劇 https://eigameetsshinengeki.filmarchives.jp/movie-detail-08.html

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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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