1953年映画『太平洋の鷲』|三船敏郎さんの「いいよいいよ」に宿る特攻隊のリアルな日常会話と衝撃

1953年映画『太平洋の鷲』|三船敏郎さんの「いいよいいよ」に宿る特攻隊のリアルな日常会話と衝撃

第二次大戦のリアル映像が半分と、円谷プロの特撮と撮影がミックスされた戦争映画。白黒とはいえ、東宝の編集力が達者な作品です。

一方で、リアル映像の中の少年たちを中心とする当事者たちが、空母で働いたり戦闘機に乗ったりしている姿があるのですが、団らん中の食卓にでもいるような普通の表情でいるのが印象的。そこで動いていた人たちのリアルな姿はこうなんだと目に焼き付き、忘れられなくなる映像でした。少年航空兵が飛んでいる戦闘機の中で電文を打っている映像や、空母の甲板で仕事をしている姿、話を聞いている姿などがあります。

主演の大河内傳次郎さんと三船敏郎さんが淡々とした喋り方をしていたのも特徴的。
特に三船さんがパイロットの隊長役で、整備士が飛行機の燃料タンクの修理が半分終わらないと報告にきた時、「いいよ、上だけいっぱいにして」と軽く返答します。隣で聞いていた同僚が「燃料が片道だけでは」というのですが、三船さんは「いいよいいよ」と言います。

この後この飛行機で突っ込むという流れなのですが、三船さんの言い方が「お茶入れる?」と言われて「いいよいいよ」と返すような、非常にラフな日常会話で、何か心に感じるものがあったのですね。

三船さんは実際に第二次大戦中に特攻隊で教育係として少年航空兵を訓練し、遺影を撮影して少年たちを送り出すという任務をしていたそうです。実際にそういう言い方を戦争の現場ではしていたのかなと思ったら、深いものを感じ、込み上げてくるものがありました。

実際の体験者が戦争映画を作っていた頃のこの映画は、非常にリアルな姿が見えるので残すべきものだと思いました。

戦争映画は虚構が多くて白々しいのがほとんどで観ないのですが、この映画だけは観ます。

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◾️「世界のミフネ」と呼ばれた男—三船敏郎 
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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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