1938年時代劇映画「出世太閤記」野武士たちのかっこいい登場
主演嵐寛寿郎さんが木下藤吉郎(豊臣秀吉)を演じ、
信長の元で出世していく藤吉郎の日常を描いた作品。
今のような決まった形の戦国武将物語ではなく、
各エピソードが日常生活の上に成り立っており、
それを踏まえてさらにかっこいいなと感じる演出が多い作品です。
その一つに、野武士達が川上で木を伐採し、筏を組んでそれに乗り、
川下へ下って合戦に向かうシーンがあります。
戦前まで活躍していた「筏師」の仕事にあたりますが、
それを野武士らにやらせ、
急流の中を捕まるところもない筏の上に仁王立ちになり、
風になびく旗や煙幕を帯び、絵的にも素晴らしく、
野武士らが強そうに見える演出はかっこよかったです。
600年の歴史を持つ筏師は、出世太閤記で描かれたように、
仕事の合間には筏に乗って合戦へも行っていたかもしれませんね。

1938年時代劇映画「出世太閤記」について
木下藤吉郎の出世を描いた作品というのはお伝えしましたが、
藤吉郎を演じるのが主演の嵐寛寿郎さん。
脇を固めるのは、織田信長に月形龍之介さん、
藤吉郎の弟・小一に原健一さん、
前田犬千代に尾上菊太郎さんらのベテラン勢が固めます。
そして監督が稲垣浩さん。制作は日活というところなどを見るとわかりますが、
大人の作品です。
戦前までの作品は今見ると「大人の作品」という印象を持つ映画が多いですが、
「出世太閤記」もその中の一つです。
派手な見せるチャンバラ、捕物帖のようなスカッとする系などはありませんが、
筏師を模した野武士の登場のような、かっこいいなと思う演出が多くあり、
こういうところはこの映画に関わったベテラン勢にしか出せない演出・魅力なのだろうなと思います。
しかし、古い作品なので、
逆光や焼け、劣化などフィルムの状態が少々悪く、
筏師を模した野武士の登場シーンが最も経年劣化が激しい
点が少し残念です。
そこも戦国時代の風景というように、
良い方向にとらえながら見ればよく見えると思いますので、
ご視聴される場合は経年劣化も味と思ってご視聴ください。
1938年時代劇映画「出世太閤記」の視聴方法
この映画は東映オンデマンドやAmazonプライムで視聴可能です。
単品購入やサブスクリプションで楽しめます。(※撮影は日活)
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