1929年時代劇映画「右門捕物帖 一番手柄・南蛮幽霊」主演・嵐寛寿郎さんの近藤右門がリアルすぎ
主人公の近藤右門は八丁堀の同心で、剣と柔術の達人という設定です。
そのため、殺陣が上手い俳優が演じることが多いのですが、
この映画ではリアルに剣と柔術の達人が右門を演じていたのを見て驚きました。
その人物は20代の頃の嵐寛寿郎さん。
沢山の敵に囲まれる右門ですが、素早く一本背負いなどの技で次々と投げていきます。
技の豊富さやキレ、綺麗さ、そして様々な方向に投げられるため、見た目も非常に映えます。
とても古い映画なのでサイレントですが、
嵐寛寿郎さんの剣と柔術のシーンは見応えがあり、音無しでも魅入ってしまいます。
武士姿の嵐寛寿郎さんと戦ったら誰も勝てないと思うほどの達人ぶりでした。

右門捕物帖について
右門捕物帖は佐々木味津三さんの時代小説です。
今では電子書籍化され、安く読むことができますが、小説自体も大変面白い作品です。
一つのお話ごとに「一番手柄」「二番手柄」と付けられており、
洒落た言い回しが印象的で、小説を読むきっかけになりました。
右門捕物帖は映画やテレビで何度も映像化されるほど人気のある作品です。
主人公の近藤右門は無口なことから「むっつり右門」の異名を持っていますが、
剣と柔術の達人で独身、難事件を解決していくキャラクターが非常に魅力的です。
時代劇特有のチャンバラも派手に描かれるため、
演じる俳優が変わっても殺陣の上手い方々ばかりで、どのバージョンも楽しめます。
しかし、殺陣のシーンはあっても、柔術のシーンはほぼありません。
そんな中、嵐寛寿郎さん主演のバージョンでは豪快に柔術が披露されており、非常に驚きました。
嵐寛寿郎さんの近藤右門
嵐寛寿郎さんが「右門捕物帖 一番手柄・南蛮幽霊」で主人公の近藤右門を演じたのは
1929年(昭和4年)のことです。
まだ20代の頃で、小説の近藤右門と同世代の印象を受けます。
右門は無口なキャラクターで、喋ることはほとんどありません。
おかっぴきの伝六のお喋りとは対照的に、ゴロゴロと寝ていたり、
昼間から銭湯に行ったりと、自由な姿で描かれています。
しかし、事件となると無口なまま行動的になり、同僚のイヤミな村上敬四郎に皮肉を言われつつも、
村上がヤクザ者に絡まれた際には、一本背負いを使って助けてしまう場面もあります。
そしていよいよ敵と対決するとき、敵には仲間が大勢おり囲まれたピンチの状況で、
嵐寛寿郎さんの近藤右門は素早く柔道の技を次々と決め、豪快に投げ倒していきます。
この時の嵐寛寿郎さんの技の豊富さ、キレ、そして綺麗な投げ技は本当に達人そのものでした。
昔の俳優は剣道や柔道の経験者も多かったとは思いますが、
嵐寛寿郎さんの動きは柔道の達人レベルで、他の役者とは一線を画しています。
次々に技を決めるシーンは非常に爽快でした。
続いて始まる刀での対決も白熱した殺陣が繰り広げられます。
嵐寛寿郎さんは剣術の達人でもあり、その見応えある戦いぶりには感動しました。
リアルに近藤右門は実在したのではないかと思えるほどの達人ぶりでした。
嵐寛寿郎さんが演じた「右門捕物帖」は大変な人気があり、36本も映画化された当たり役です。
しかし、サイレント映画で非常に古いため、
現在ではほとんど見ることができないのが残念です。
嵐寛寿郎さんの「右門捕物帖 一番手柄・南蛮幽霊」視聴方法
この作品は過去にDVD化されており、現在は入手困難ですが、
根気よく探せば見つかる可能性があります。
非常に素晴らしい作品ですので、機会があれば是非ご視聴ください。
嵐寛寿郎さんの「右門捕物帖 一番手柄・南蛮幽霊」
DVD販売を探したのですが、なかったので、私が持っているDVDを貼っておきます。

小説はこちら。まとまって超お安く読めます。
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右門捕物帖初めて映画を見る場合は大友柳太朗さん主演の東映作品が見やすく楽しめますよ。