1960年映画大友柳太朗さん主演「右門捕物帖 地獄の風車」が最高に面白い
時代劇黄金期を支えたお一人、
大友柳太朗さん主演映画「右門捕物帖」シリーズ第2作。
この時の大友さんの「おじイケメン」ぶりは最強です。
さらに、誰もが認める殺陣の鮮やかさが際立ち、
高身長で体格も良いため、殺陣シーンが非常に映えます。
東映の捕物帖シリーズはどれも面白いですが、
この作品ほど役柄にハマっているものも少なく、
見ていて楽しく、爽快感があります。
特に「地獄の風車」は何度も視聴したくなるほどお気に入りの作品です。

大友柳太朗さん主演「右門捕物帖 地獄の風車」あらすじ
大江戸百夜に続々とまき起こる恐怖の殺人事件。
「むっつり右門」こと八丁堀の同心・近藤右門が、
配下の岡っ引き・おしゃべり伝六とともに事件解決に乗り出します。
同僚で右門と張り合うアバタの敬四郎との捕物合戦が展開される中、
殺人犯に間違えられ追われる已之吉とその恋人、殺人犯そっくりの浪人、
美人の女親分、事件に深く関わる近江屋の主人と娘・お春と怪しい動きをする近江屋の妻。
そして街をうろつく浮浪人たちや不審な動きを見せる老中・戸田内膳など、
次々と登場する個性豊かなキャラクターたちが物語を盛り上げます。
また、右門に力添えする松平伊豆守の存在も、物語に華を添え
痛快娯楽劇が展開されます。
大友柳太朗さん主演「右門捕物帖 地獄の風車」の見どころ
大友さんのすごさ
大友柳太朗さんは、東映黄金期を支えた俳優の一人であり、
作品数と主演作数の多さは当時の東映スターたちの中でも群を抜いていると言われています。
出演作は約300本、そのうち主演作は100本以上とも言われるほどで、
その実績の多さが、彼がいかに時代劇映画の中心的存在であったかを物語っています。
大友さんの人気の理由は、顔立ちの良さ、高身長で恵まれた体格という
外見的な魅力だけでなく、演技力や技術力の高さにあります。
特に時代劇で重要とされる「殺陣」の技術は圧巻で、
その鮮やかで力強い立ち回りは、観る者を惹きつける見どころとなっています。
また、乗馬技術にも優れ、右門捕物帖シリーズ以外でも、
さまざまな役にしっくりとハマる演技力は、
当時のスター俳優たちの中でも特に際立ったものとされています。
右門捕物帖と同時期の映画公開に「丹下左膳シリーズ」があり、真逆の主人公を
演じ、こちらもハマり役と称されているところを見ても大友さんの凄さがわかります。
彼がこれほど活躍した背景には、幅広い役柄を演じ分けられる能力の高さがあります。
繊細で情感豊かな役から、豪快でエネルギッシュなキャラクター、
さらには少し危険な雰囲気を持つ役柄まで、幅広い演技をこなしてきました。
さらに、大友さんは声色を変える技術にも優れており、
「このキャラが大友さんだとは気づかなかった」というような作品もあるほど、
多彩な役柄をこなせる役者です。
観客から見ても、彼の演技のすごさは一目瞭然です。
右門捕物帖の時の大友さんのイケメン度、艶度の高さがすごい
「右門捕物帖」シリーズは、怪事件を解決し、最後に犯人を捕まえる
「時代劇捕物帖」の代表作です。
大友柳太朗さんが演じた主人公・近藤右門(こんどううもん)は、八丁堀の同心で、
「むっつり右門」というあだ名を持つキャラクターです。
無口で独身、美男という設定ですが、この「美男」という部分が、
当時の大友さんのイメージにぴったりと当てはまります。
この時期の大友さんは50歳前後という年齢ですが、中年のちょんまげ姿がしっくりと馴染み、
和服姿で見せる堂々とした存在感が画面を彩っています。
近藤右門の役柄も、彼の雰囲気に非常にマッチしており、
フィルムの中で誰よりも目を引く華やかさを放っています。
特筆すべきは、この時期の大友さんのイケメンぶりです。
見た目の端正さに加え、長尺の殺陣を美しくこなし、
観る者を楽しませる爽快感は群を抜いています。
時代劇において、華やかでありながらも繊細さを感じさせる演技を見せ、
殺陣のシーンではその実力を遺憾なく発揮。
シリーズ全体を通して、彼の存在が作品の質を押し上げています。
また、「むっつり右門」というあだ名については、無口な印象を与えるものの、
実際には面倒見が良く、人情に厚い性格で、時には豪快に笑い、
べらんめえ口調も飛び出す、江戸っ子らしさを持ち合わせています。
大友さんの演技によって、近藤右門というキャラクターがただの「むっつり」ではなく、
深みのある人間性を感じさせるものになっています。
さらに、右門が子供や女性に慕われるシーンも多く、
大友さんの演技によって、彼らのわがままに振り回されつつも
穏やかに諭す姿が自然に描かれています。
このような場面が、右門のキャラクターに親しみを持たせる要素となり、
観る者に強い印象を残しています。
右門捕物帖近藤右門姿の大友さんがこちら。

東映制作の捕物帖の魅力
東映が制作した時代劇映画の中で、捕物帖シリーズは特に面白さが際立っています。
「若さま侍捕物帖」「銭形平次」「鬼平犯科帳」など、どのシリーズも名作ぞろいです。
その中でも「右門捕物帖」シリーズは、魅力的な要素が満載で、
まさに超娯楽作品として完成されています。
まず、東映捕物帖の特徴の一つは、多様なキャラクターが登場する点です。
事件に巻き込まれる町人たちは、どこか助けてあげたくなるような純粋さや善良さを持ち、
一方で悪党たちは徹底的に悪人として描かれています。
さらに、悪役の用心棒は見た目からして悪そうで、悪役らしさが際立っています。
物語には、おっちょこちょいな人物が登場して笑いを誘ったり、
姐御やお姫様、芸者などの華やかなキャラクターが彩りを添えます。
また、主人公と張り合う同僚や、幕府の中枢で主人公を支える幕臣など、
物語を盛り上げる人物関係も非常に魅力的です。
東映作品の素晴らしいところは、これらのキャラクターたちがストーリーの中で
生き生きと描かれていることです。主人公の八丁堀同心・近藤右門が善良な町人を助けながら、
悪党を追い詰めていく展開は、正義感とスリルに溢れています。
その一方で、時折挿入されるユーモアや人間味のあるやり取りが、作品全体を軽やかにしています。
また、東映はスター俳優を惜しみなく脇役や敵役に起用することで、
作品の質を一段と高めています。
「右門捕物帖」シリーズでも、里見浩太朗さんや大川橋蔵さんといった人気俳優が登場しており、
それぞれの演技が作品に深みを与えています。スター俳優たちが見せる息の合った演技や、
緻密に作り込まれたキャラクター同士の掛け合いは、観る者を物語に引き込みます。
そして、東映捕物帖シリーズ最大の見どころと言えば、クライマックスの殺陣シーンです。
大人数が入り乱れる長尺の殺陣は10分前後に及びますが、
出演する俳優たちはどれも時代劇黄金期を支えた一流の役者ばかり。
殺陣の技術力や動きの美しさは圧巻で、何度もリピートして観たくなるほどの迫力があります。
特に主人公を演じる大友柳太朗さんの鮮やかな殺陣は見応え抜群で、
彼の高い技術と華やかな存在感が、物語のクライマックスを盛り上げます。
東映捕物帖の面白さは、こうした多様な要素が詰まっている点にあります。
原作や脚本の面白さに加えて、キャラクター描写の巧みさや俳優陣の技術力、
そして迫力ある殺陣など、どの要素を取っても非常に高い完成度を誇ります。
その結果、観る者に高い満足感を与えるだけでなく、
後のテレビ時代劇の捕物帖シリーズにも多くの影響を与え、
数々のヒット作を生み出す礎となりました。
大友柳太朗さん主演「右門捕物帖 地獄の風車」の視聴方法
現在「右門捕物帖 地獄の風車」は東映オンデマンドやAmazonプライムで視聴可能です。単品購入やサブスクリプションで楽しむことができます。
大友さん主演の「右門捕物帖」シリーズは全7本あり、
中でも「地獄の風車」はキャラクター、お話、殺陣の全てが素晴らしく、
最初から最後まで軽快なテンポで展開されるため、
何度も繰り返し楽しむことができます。
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大友さんも出演している1959年東映映画「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」も
良い時代劇です。