時代劇言葉の使われ方「〇〇〇せい」

時代劇言葉の使われ方「〇〇〇せい」

「〇〇〇せい」の意味

• 〇〇して下さい
• 役人言葉

「〇〇〇せい」の使われ方

「たつまき奉行」「喧嘩奉行」(遠山の金さん)
「忠臣蔵」(櫻花の巻/菊花の巻)
などに登場する役人(北町・南町奉行)や、
集団行動の際に指揮をとる者が呼びかける時に使われる言葉。

「〇〇〇せい」が使われていた時期

1960年頃までの時代劇映画では頻繁に使われています。
1970年後半頃の時代劇TVドラマでは「〇〇〇せい」の使用は
減っていたように見受けられます。

漫画にも登場する「表をあげませい(おもてをあげませい)」は、
1970年後半頃の時代劇TVドラマでは
「表を上げい(おもてをあげい)」と言うように変わっています。
この「表を上げい」は聞いたことがある方も多いと思います。
主に将軍や役人が使う場面が多いです。

頻繁に使われていた1960年頃までの時代劇映画では、
役者のみなさんが「〇〇〇せい」を言い慣れています。
特にベテラン勢はよく使います。

有名なところでは、漫画にも二度登場している片岡千恵蔵さん。
遠山金四郎や大石内蔵助など、指揮官系の役が多いため、
使用頻度が高くなるのも納得できます。
この時代の遠山金四郎の配下である北町の役人らも、
指示を出すときなどでよく使っていました。

また、役人以外でも、ヤクザ集団や悪党の集団をまとめる人物も
「〇〇〇せい」を使います。
主に集団で戦う場面などで使われていました。

一方で、1950年代終わり頃の若い俳優たちは、
「〇〇〇せい」をあまり使っていなかったように思います。
(東千代之介さん、中村錦之助さんあたりです。)
そのため、若手俳優が「〇〇〇せい」を使わなくなり、
時代とともに言い方が変わり、
「〇〇〇せい」はそのままフェードアウトしていったのではないかと思います。
現代では聞かない言葉ですよね。

しかし、1970年代後期の時代劇テレビドラマで「〇〇〇せい」を
使った人物がいます。
それは1978年放送の「吉宗評判期・暴れん坊将軍」です。

使用した人物は南町奉行・大岡忠相役の横内正さんです。
役人の言葉として使ったのだと思いますが、
悪党に向かって「出ませい。」と言っていました。
久しぶりに「〇〇〇せい」を聞いたので、感激して覚えています。

「〇〇〇せい」は意外と言いやすい

「〇〇〇せい」を実際に言ってみると、意外と言いやすいので
試してみてください。
お腹の力が抜けず、大きな声で発しやすい感じがあります。
役人が使うのも納得できます。

また、「〇〇〇せい」は耳心地が悪くないのも良い点です。
現代の言い方だと「〇〇〇しろ。」になると思いますが、
命令形は言われると反射的に反発心が湧き、
従いたくなくなる気持ちも芽生えます。
そのため、「〇〇〇せい」を復活させても良いのではないかと感じました。

「〇〇〇せい」が使われた映画の視聴方法

この映画は東映オンデマンドやAmazonプライムで視聴可能です。
単品購入やサブスクリプションで楽しむことができます。

◾️1959年時代劇映画「たつまき奉行」(遠山の金さんシリーズ)主演片岡千恵蔵さん https://amzn.to/3R5MeM6

◾️1955年時代劇映画「喧嘩奉行」(遠山の金さんシリーズ)主演片岡千恵蔵さん https://amzn.to/3FqDBJv

◾️1959年時代劇映画「忠臣蔵」(櫻花の巻/菊花の巻)主演片岡千恵蔵さん 
https://amzn.to/3R9oZRm

◾️「吉宗評判期・暴れん坊将軍」第1部 東映オンデマンド 
https://amzn.to/3QXQbT2

最新情報をチェックしよう!

時代劇言葉の最新記事8件

>松元美智子クリエイティブブログ💖公式

松元美智子クリエイティブブログ💖公式

松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

CTR IMG