1959年東映映画「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」年末時代劇におすすめの一本

  • 2024年12月31日
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1959年東映映画「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」年末時代劇におすすめの一本


誰もが認める主役級の役者たちが集結し、
一人一人の感情表現の豊かさと芸や技術力の高さ、脚本も美術も最高で、
一度見たら千回はリピートするくらい本当に素晴らしい映画です。
とにかく役者さんたちの表現力の高さには何度も驚かされました。
時代劇の満足度が高い一本です。

年末恒例の時代劇作品「忠臣蔵」

年末恒例の時代劇作品が放送されていた世代にとって、
「忠臣蔵」はお馴染みの作品です。

「忠臣蔵」は時代劇映画やドラマの中でも数多く制作されている人気作品ですが、
その中でもこれがおすすめ、最強の一本と言える作品が
1959年東映映画「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」 です。

「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」あらすじ

※今回は東映さんのあらすじをそのまま記載します。


『物語は、二部構成で展開。第一部「櫻花の巻」では、
元禄十四年春、江戸城中、松の廊下において赤穂藩藩主・浅野内匠頭が、
諸式指南役である高家筆頭・吉良上野介に対して刃傷に及び切腹。
家は断絶となり、幕府の片手落ちな裁決に憤りを感じながらも、
城代家老・大石内蔵助をはじめ赤穂藩士が城を去るまで描破。

第二部「菊花の巻」では、秘かに仇討ちを誓う大石内蔵助の
世間の目を欺くための放蕩三昧から、
元禄十五年冬、赤穂四十七士が白雪を蹴って討入りするまでを描く。
一年八ヶ月にも亘って仇討ちの機会を待ち続けた
赤穂四十七士の心理描写が、
延べ三時間の長編によって巧みに描き出される。』
(C)東映 https://amzn.to/49XNWrA

「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」がすごい理由

配役がすごすぎる

1950年代は時代劇映画黄金期。
この時期に登場し、一気にスター俳優となった若手俳優が数多くいました。
それ以外にも、それまでご活躍されてきたベテラン俳優、
さらに子役の中からもその後のスターが控えている状態です。

「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」の配役を見ると、
主役で活躍されている若手スターやベテラン俳優、子役が勢揃いしているすごい状態です。
(多すぎるので一部のみ紹介です。)

「若手スター俳優陣」

・浅野内匠頭/中村錦之助、・岡島八十右衛門/東千代之介、
・岡野金右衛門/大川橋蔵、・徳川綱吉/里見浩太朗 ほか

「ベテラン俳優陣」

・大石内蔵助/片岡千恵蔵、・脇坂淡路守/市川右太衛門、・堀部安兵衛/大友柳太朗、
・不破数右衛門/山形勲、・片岡源五右衛門/原健策 ほか

「子役俳優」

・大石主税(通称:ちから)/北大路欣也 ほか

驚くのは、俳優さん全員が役に徹していることです。
そして決して目立とうとしないところが良いです。

お一人お一人が皆さん高い技術力を持っているので、
素人のようなどうにかして目立とうという根性がないのが
安心して見ていられる点でもあります。
やはり「芸は力」、その偉大さを感じさせてくれます。

見どころが多い

これだけの名俳優たちが揃っているのですから、その数だけ見どころも生まれます。
お一人お一人が高い感情表現力、卓越した芸や技術力を持ち、役に徹しているので、
見ているだけで次から次にすごい表現が飛び出し、驚きや感激、感動が止まりません。

感情表現が「喜怒哀楽」だけではないことに改めて気づかされる作品でもあります。

特に浅野内匠頭を演じた中村錦之助さんの心の表現力の幅広さ、
引き出しの多さ、繊細さには大変感動しました。
見終わると自分自身の感情が豊かになったようにも感じます。

中でも、吉良からの意地悪に憎悪しながらも、
家臣を思い、立場をわきまえ体が震え立つ怒りを抑えつつ、
状況をどうにかしようと必死に「お教えくださいませ」と吉良に懇願するしか
選べないほど追い込められた浅野内匠頭の姿には、
錦之助さんはもしかしたらこのような状況が現実にあったのではないのか?
と思うほどリアルで胸が痛くなる姿でした。

また、家臣の片岡源五右衛門(原健策さん)との
桜の木の下での最期の別れの時の間の取り方や、
「さらばじゃ」というセリフの言い方も、
若手(当時20代?)とは思えない達観ぶりでした。

次に大石内蔵助役の片岡千恵蔵さん。大石役が大変ピッタリですが、
片岡さんの表現力もまた幅広く、特に「呼吸」で感情表現する技術に驚かされます。

また真面目な大石以外にも、敵の目をくらますために、
味方の浅野家家臣たちさえも怒らせるほど乱行を装った遊びぶりや、
一人で別の藩に行くと言い出すなど、
本当かと信じてしまうような乱れぶりを演じた片岡千恵蔵さんの
大石内蔵助には驚きの連続でした。

浅野家家臣たちも素晴らしく、皆が殿を支え、
恥をかかせぬように起点をきかしたり、支えてあげようとする姿には感動します。
一方で殿の行動を批判する意見を言っているシーンもあります。

またおじさん達が号泣するのも浅野家家臣らの人間性が垣間見れるところです。

山場の討ち入りシーン

吉良邸への討ち入りの殺陣シーンは10分以上にも及ぶ長尺の集団殺陣シーンですが、
出演者全員が大変高い技術力を持っているので、安心して見ていられます。
それでも、あまりに迫力がすごすぎて「うわー!」という声が漏れてしまう殺陣シーンです。

殺陣シーンでは特に定評のあるお三方、大友柳太朗さん、東千代之介さん、
大川橋蔵さんがカメラに映る時間が多いです。
それぞれが個性豊かな殺陣を披露しており、見応えあるシーンを作り出しています。

今では大ベテランのお二方も

里見浩太朗さんは将軍綱吉役で、正味1分くらいしか映らないのですが、
この錚々たるメンバーの中では、この当時新人中のでも新人だった里見さんなので
仕方がありませんね。それでも将軍綱吉役はとてもお似合いでした。

さらに驚いたのが、今では大ベテランの北大路欣也さんが
子役として出演していることです。
大石主税(通称:ちから)役で、後半では大石内蔵助の右腕のような存在として
討ち入りの現場を指揮し活躍します。

片岡千恵蔵さんと市川右太衛門さんの絵面の強さ

この大ベテランのお二方が並んでいるシーンは圧巻です。
櫻花の巻の最後に、二人で浅野内匠頭の幼少期の思い出を城内でするのですが
すごい俳優陣が揃う中でもお二方が並ぶと輝きが全然違い、
この二人がやり取りをするシーンを見るだけでも感激します。
さらに市川右太衛門さんの着物の着こなしが圧倒的にカッコ良すぎて最高でした。

1959年東映映画「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」視聴方法

現在、「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」は
東映オンデマンドやAmazonプライムで視聴可能です。
単品購入やサブスクリプションで楽しめるので、ぜひご覧ください。

本編は二部構成ですが、一本にまとまっています。
3時間という長尺ですが、引き込み力が非常に強いため、
一気に最後まで見てしまいます。
そして、見終わると必ずまた見たくなる、そんな強烈な一本です。

◾️1959年東映映画「忠臣蔵 櫻花の巻/菊花の巻」
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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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