舞台銀ちゃんが逝く2024

舞台銀ちゃんが逝く2024

生死を伴うお話は経験豊富な年齢が演じてこそ
現実味のある姿を見れるのだと思います。
今時は生死を演じると厨二病物語、
異世界になってしまうので、
舞台は人の生々しさを残してほしいですね。

舞台銀ちゃんが逝くのキャストは
年齢層が高いという点が他との違いの一つと言えますが、
どうしてこの年齢層なのかということを考えますと
このキャストさん達でずっと続いていたものがあった。

という点もありますが、
ではなぜ、今この時代にこの年齢層でわざわざ舞台を
やっているのかということを考えてみると、
そこには運命めいたようなものももしかすると
あるのではないかと思います。

現代社会はバーチャル化が進み
現実とバーチャル世界の二極化社会が進んでいます。
現実社会を捨てネット社会でのみ
生きる人たちがいます。

異世界社会というのですけど
そこの住人達は全てが軽いのですよ。
生死も人生も軽い。
挑戦もなんでも全てが軽い。

そういう異世界出来事が
文化でも流行し
アニメや漫画小説や映画舞台
なんでも異世界や異世界のような
作品が増えました。

視聴者側も、作品を見て理解ができなくなると
あれ?これは異世界の話かなと
作品を深掘りすることなく
わからないことは=異世界
と切り捨て
見終われば忘れてしまうという
悪い意味での一期一会作品が量産されています。

舞台銀ちゃんが逝くも
今の時代に初見で見れば、
この作品が作られた昭和の時代背景を知らないと
これは異世界作品かしら?と思われるようなストーリーでをしています。
(宇宙がどうのとかそういった話も途中で出ていますし、
異世界に観ようと思えば見えますね。)

話は少しずれますが、
KinKi Kidsの堂本光一くんが今年で舞台「SHOCK」を終了し、
古くは映画(ドラマだったかな?)新撰組から続いた「階段落ち」の伝統が終わります。

光一くん版「SHOCK」は
毎年やっていた舞台で多くの若者達が見続けてきたから
階段落ちの認知度もありましたけど、終わります。
10年後にこの階段落ちを見たらそれこそ
「階段から人が落ちてくるなんて、アニメの話?
天空の城ラピュタ?それとも異世界作品の話?
という反応が出てきてもおかしくないですよね。

舞台銀ちゃんが逝く、でも階段落ちが使われており、
それは最後のクライマックスで出てきますが
舞台で見る階段落ちは大きな見どころだと思います。

ですので、この階段落ちの伝統が終わるというのも
もったいないと思いますけど
しかし、落ちてくれる役者さんの身体能力もありますし、
見せる落ちる姿ができる役者さんとなると難しいですよね。

舞台銀ちゃんが逝くのキャストの話に戻りますが
キャストの平均年齢が高いことがこの作品の特徴の一つです。
「銀ちゃんが逝く」の作品内容は、
映画業界に生きる役者さん達の姿と、その裏の
複雑すぎる親子関係や生死などを扱っている作品です。

2時間程度の上演時間ですがサラッと見れるのですよ。
サラッと見れるって時間が短いからではなく
重い内容を扱っているけど
役者さん達が大人なのでそれをちゃんとリアルに見せることができるから
スッと入れて最後までサラッと見ることができるということです。

銀ちゃんと祖父のシーン、
のぶおとお父さんのシーン、
小夏と娘さん、ヤスと娘さん、銀ちゃんと娘さん、中村屋と奥さん、他
どの関係を見ても心に届くものがあるのですよ。

心に届くって、やっぱり役者さんの背景があるからこそだと思います。
どの関係もリアルに見える。

「銀ちゃんが逝く」って
これまでにもたくさんの方が演じていますけど
役者さんによっては見るのがしんどくなることもあるのですよ。
妊娠したこともないような娘さんが小夏を演じた時は
異世界作品に見えましたね。

今回見た役者さん達が演じる舞台銀ちゃんが逝くは
昨年が初見だったのですけど
昨年この舞台を見る前は、
なんでこんなに年齢層が高いのかな?と思いましたよ。
知らない役者さんばかりだし、
しかし、そのなんで年齢層が高いのだということが
私は気になっていたのでしょうね。

昨年見た時は想像以上の感動をいただき
ただただ素晴らしいという感想で一生懸命でしたが
2回目の今回は冷静に見ることができ、
自分がどうしてこの役者さん達が演じる作品が気になったのかが
自分でもようやくわかることができました。

舞台は役者さんが大事なんだなと
役者さん達によって同じシーンでも感動できたり
なんとも思わなかったり、そんなふうに心が動くのは
役者さん達の違いなんだと
今回の舞台を見て特に思いました。

異世界世界の軽さが拡大している現代に、
舞台銀ちゃんが逝くのこのキャストで演じる舞台は、
今では、重いとされる内容となったこの作品に
見る人側が見たくない本当の姿、生身の人間を、
受け止められなくなったという状況もあると思います。

どうせ見るなら楽しくて気楽に見れる内容の方が
良いと思うかもしれませんが、
人は、自分の本当の姿を誰もが
どこかで向き合わないといけないので
そういう時の準備や覚悟をするきっかけに、
舞台銀ちゃんが逝くのような生々しい人間像を描き
生々しさを肌身に感じさせてくれる役者さん達が演じてくれる舞台が
特にこれからの時代は必要ではないかとも思います。

だからこの作品を続けてほしいしと感じますし、
今の時代にこの作品は意味があると私は考えています。

さて、舞台は他に面白かったところもありまして、
ハニワ四銃士が面白かったです。
おじさん4人が埴輪姿になって何かしているところが
シュールで笑いました。

クライマックスの良いシーンの時に
舞台袖に転がっているハニワの残骸が
目に入って個人的に面白かったです。

舞台は上演が始まった最初の方で見ていたのですけど
ブログを書くのに千秋楽を待ったのと
この舞台で自分の気になったことが見えてくるまでに
時間を要したので
千秋楽まで待ったのは結果的に良かったです。

次回作は熱海殺人事件だそうで、
こちらの作品の舞台は一度も見たことがないので
見にいこうと思います。
2025年、来年公演だそうです。


こちら会場外にあった舞台のポスターです。

舞台銀ちゃんが逝くはテーマ曲に
フランク・シナトラの「マイウェイ My Way」
が使われています。良い歌ですよね。

舞台開始にこの歌を歌いながら始まるのですけど
錦織一清さんが割り込んで入ってきて歌を歌って
銀ちゃんに「お前誰だよ」って言われるところは
面白いです。
そういえば今回マイウェイの途中から少年隊の「君だけに」を
歌ってもらいました。
生で少年隊が歌う君だけに聞くのは胸アツでした。

フランク・シナトラバージョン素敵ですけど
このブログではシブすぎるので
小柳ゆきさんバージョンのマイウェイ置いておきます。

女性が歌うマイウェイも素敵ですよ。

舞台銀ちゃんが逝くのラスト、役者さん達が舞台に再登場する時に
この曲をかけてくれたら多分私は号泣しますね。

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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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