美輪明宏さんの舞台・音楽会が教えてくれたこと|初めてのチケット、白ドレスのワルツ、金色の紙吹雪…私を浄化し続けた美と芸術の力

美輪さんの思い出
美輪さんのことを語ったら相当になるだろう年季の入った美輪さんファンですが、私はずいぶん若い時に漫画家になり、地方から東京へ出て自分の稼いだお金で初めて買った舞台チケットが美輪さんでした。昔の渋谷PARCO劇場、美輪さんのチケットは毎回完売御礼の大人気。一番後ろの席で見た演目は『葵上・卒塔婆小町』、お相手役が宅麻伸さんの頃です。白いドレス姿の美輪さんと宅麻さんが、ワルツを踊りながら終わるラストが美しすぎて、今でも頭から離れないほど強烈に覚えています。
以降、美輪さん恒例の春の舞台、秋の音楽会は毎年必ず行き、ファンクラブというものを知って入り、前の方の席で鑑賞できるようになったことが嬉しかったです。美輪さんの音楽会は最後必ずと言っていいほどエディット・ピアフの『愛の賛歌』(フランス語版)を歌い、歌の最後の方で金色の紙吹雪が大量に舞い散り、これが本当に幻想的で、圧巻で、大号泣してしまうのです。美輪さんの舞台・音楽会は「浄化」だとも言われますが、美輪さんのオーラも凄すぎて、舞台に出てくると視界に入る美輪さんの顔以外の部分が真っ白になってしまうほど、とんでもない大きさのオーラを放ちます。美輪さんのオーラは本当に気持ち良くて、最後に号泣して生まれ変わったように劇場を後にする。
舞台の始まる前も白檀のお香がたくさん炊かれており、これも浄化とも言えますが、香りを嗅いだときから桃源郷に迷い込んだような気分になり、開演の合図、真っ暗になる劇場内、始まる舞台、美しい美輪さん、出演者さんたちをはじめ皆が素敵な衣装を身につけ、舞台の大道具、小道具、背景何から何まで全てが豪華で、観客たちのため息やどよめきを何度聞いたことでしょうか。私は初めて見た舞台が美輪さんで、それ以降何十年も美輪さんの舞台一筋でしたから、美輪さん以外の舞台には馴染めなかったです。
今思うと、美輪さんの舞台がどれだけ贅沢だったかよく分かるのですが、表現者としての姿と、お客さんのために、美だったり、浄化だったり、明日へのエネルギーだったり、そういった目に見えない部分まで人に与えるという点においては、美輪さんは最強だと思います。ここまでできる美輪さんが特別すごい人だったと思いますので、その他の舞台や演者と比べてはいけませんけど、芸術文化の役目というものはどういうものであるかは、美輪さんの行ってきたことを指針するくらい重要視して良いのではないかと思います。
2019年の音楽会東京公演期間中に軽い脳梗塞があることが判明し、舞台の中止、以降、音楽会はなくなり最後の音楽会になってしまいましたが、最後の音楽会も見られてよかったです。この時は美輪さんの容態が心配でしたが、回復し、テレビなどでお姿を拝見する機会が増えた時には安堵しました。2026年3月には新刊『幸せの大盤振る舞い』が刊行され、まだまだお元気だなあと思っておりました。
美輪さんの訃報を目撃し、脳裏には黄色い髪の美輪さんの笑顔と、金色の大量に舞い散る紙吹雪の中、最初に見た舞台の白いドレス姿でワルツを踊る美輪さんの美しい姿が見えました。本当にたくさんのものを与えてもらったと思っています。美輪さんありがとう、また会いましょう。
<黒蜥蜴、黒薔薇の館 DVD>
2025年に突然松竹さんから発売決定されとても驚きましたが、この映画は今では見られなくなっていたので嬉しかったです。早速購入予約し、ウキウキして視聴したのを覚えています。『黒蜥蜴』は舞台で何度も見ているのですが、映画は初めてフルで見ました。昔の作品なので、際どい演出も多々あり、さらに三島由紀夫さんが出演され、キスシーンが有名となっている映画でもあります。『黒薔薇の館』は本当に見たかった映画で、こちらのDVD化の方が喜んだくらいです。怪しい貴婦人の美輪さんと、美輪さんに何人も惚れていく男たちの姿が、嘘か演技か分からないくらいリアルでドキドキする映画です。


<雪之丞変化 DVD>
1970年のTV時代劇。美輪さん扮する舞台芸人雪之丞と闇太郎の二役で、女形の美輪さんと男姿の闇太郎がどちらも惚れ惚れする姿で、さらにチャンバラもある贅沢なドラマです。若い時の美しい、かっこいい美輪さんが見られるドラマでもあります。

<美輪明宏の世界〜愛の話とシャンソン>
2019年最後の音楽会東京公演で購入したパンフレットです。これが最後になるとはこの時は思いもよらずでした。舞台・音楽会ともパンフレットは勉強になること、ためになることも多く、読み応えのある贅沢なパンフレットです。そして毎回華やかなので、オブジェとしても飾っていられます。

<幸せの大盤振る舞い>
2026年3月に刊行された著書です。最後の本となってしまいました。美輪さんの本も全部読んでいます(多分、数が多いので)。本当に勉強になることが多い本です。私は古い時代劇や映画をよく見ているのですが、その影響はおそらく美輪さんがきっかけだったと思います。美輪さんの本で紹介された、見るべき映画や音楽などが紹介されており、それで見始めました。『天性麗人』の本だったと思います。

他にも美輪さんの携帯サイト「美輪明宏麗人だより」も公開されてすぐに入ったと思います。
日曜日の朝のラジオ「美輪明宏 薔薇色の日曜日」も聞いていました。
本当に美輪さんを語れば長くなるので、またいずれ。