トラウマは遺伝する
ナショナルジオグラフィック掲載。
両親が経験した深刻なトラウマが
子供のDNAに受け継がれPTSDや鬱などの
メンタルヘルス不調を
引き起こしているという研究結果。
戦争を生き延びたDNAを持つ現代人の
不調者が多いのも納得かもしれない。
以下、記事をかいつまんで記載します。
引用:トラウマは遺伝する、研究続々、ただし影響を元に戻せる可能性も
ナショナルジオグラフィック
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/061700327/?n_cid=nbpnng_mled_html&xadid=10005
最新科学の知見によると、戦争や大量虐殺から虐待や環境要因まで、
さまざまなトラウマの影響が世代から世代へと
受け継がれている可能性があるという。
「あなたのお母さんやお父さんが経験した深刻なトラウマが、
自分に影響を及ぼしているような気がすることはないでしょうか?」
トラウマについて研究しているレイチェル・イェフダ氏は
ホロコーストを生き延びた人々とその子孫の遺伝子に
変化があることを発見した。
2020年に大規模な調査を行った結果、
ホロコーストを生き延びた母親を持つ人々の
FKBP5遺伝子のDNAメチル化率が、
ホロコーストを経験しなかったユダヤ人の母親を持つ人々に比べて
低いことが明らかになった。
FKBP5遺伝子のDNAメチル化率の低さは、
成人のPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの
リスクの高さと関係している。
マウスで調べたところ、
マウスにサクラの花のような匂いを嗅がせると同時に
軽い電気ショックを与えた。
するとマウスは、当然、その匂いを恐れるようになった。
意外だったのは、次の2世代のマウスに同じ匂いを嗅がせると、
それまで嗅いだことのない匂いであったにもかかわらず、
はっと驚いたことだった。
この影響はいつまで受け継がれるのかというと
抑うつと記憶力の低下は第3世代まで続いたが、
リスクを冒す行動が減りはじめたのは第5世代以降だった。
「いくつかの症状がこれほど長く続いたのは予想外でした」と言う。
この影響を変えられないのかというと、
生活環境を豊かにする「環境エンリッチメント」によって
トラウマに関連した行動を減らせるかもしれないと言う。
生後間もない時期にトラウマを負ったおとなのマウスを、
他の多くのマウスと一緒に、回し車やおもちゃや迷路のあるケージに入れて飼育した。
その結果、こうした刺激の多い環境で生活するトラウママウスは、
標準的な環境で飼育されているトラウママウスとは違って
トラウマ行動の症状を示さず、その子孫のマウスも同様だった。
さらに、生後間もない時期に母親から
十分な世話を受けられなかったせいで不安の強いラットについて、
DNAメチル化の影響を元に戻せることを発見した。
おとなになったラットに「トリコスタチンA」
という薬を注射したところ、ストレスの兆候が少なくなり、
普通に育ったラットのようにふるまいはじめたのだ。
エピジェネティックな変化は、ネガティブな影響だけでなく、
子孫が逆境に対処するのを助ける遺伝子を活性化して
将来の世代を助けている可能性もあるという。
「けれども、それが有利に働くかどうかは場合によります。
先祖と同じ逆境の中で生きる子孫にとっては、
前の世代の経験で得られた生存スキルを備えていることになりますが、
逆境にいない子孫にとっては、過剰な警戒になってしまうかもしれません」
とも述べている。
両親や祖先のトラウマの影響が受け継がれるしくみの研究は、
まだ始まったばかりである。
以上です。
このトラウマの影響には
反対意見の研究者もおりまして、
たとえば、精子と卵子が結合する際に、
遺伝子上の多くのDNAメチル化は除去(リセット)されるとも
言われています。
しかし、私はこのトラウマの遺伝の影響は
現代人を見ていると
妙に納得できてしまう肯定力が
あるように思いますね。
現代日本は子孫について政界で騒がれていますが、
このトラウマの影響の記事を見る限り、
子供を増やすことより先に
現代人の心の治療を行うことが先決、
DNAの回復をしなければ
人類の未来繁栄はないなのではないかとも
思います。
さて、かいつまんで引用しましたが、
全文を読みたい方は
下記でお読みください。
◾️トラウマは遺伝する、研究続々、ただし影響を元に戻せる可能性も
ナショナルジオグラフィック
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/061700327/?n_cid=nbpnng_mled_html&xadid=10005
フラッシュバックにはテトリスをやると減るそうです。