なぜ二人は殺し合い、助け合うのか?『続・座頭市物語』に感じる兄弟の「強烈な縁」

なぜ二人は殺し合い、助け合うのか?『続・座頭市物語』に感じる兄弟の「強烈な縁」

1979年公開の「続・座頭市物語」は、主演の勝新太郎さんと実兄の若山富三郎さんが映画の中でも兄弟役を演じております。過去、市と、市の女を奪った兄は斬り合いになり、兄は片腕を落とされます。 隻腕(せきわん)になった恨みをもつ兄は再び出会った市と斬り合いとなりますが、そこに役人らが悪事を働いた兄を捕縛するために囲みます。 捕まれば兄は獄門台。兄は市に自分を殺せといいます。役人らは邪魔立てすると同罪だと市にいいます。

こんなひどい兄貴は殺してしまえと私は強く思いましたが、市はそんな兄を助けたのです。 その瞬間を見た私は、間髪入れずに涙が溢れ号泣してしまいました。

勝新さんと若山さんが実兄弟と知っていたこともあるのですが、親子よりも夫婦よりも同性兄弟の縁というのはとてつもなく強烈なものがあると、このシーンに見たのです。 あんなに憎しみあった二人が誰かに殺されると知り、無条件に助けてしまう姿はキリストの復活のように奇跡の光景に感じました。

また勝新さんと若山さんは極限状態がよく似合う役者さんで、このシーンをさらに引き上げたと思います。 映画の中に二人の過去のシーンはないのですが、勝手に頭の中で二人の過去が浮かび上がり、さらに感動してしまいました。 若山さんと勝さんの映画を結構見ているからできたことだと思いますが、それにしても同性の兄弟というのはすごいと思います。

映画界では他にも同性兄弟の俳優はおりますが、今回の勝新さん、若山さんと同じく、カメラの中に二人が入ると、スッと二人の世界を築き上げるのです。 同じオーラが交わり一つになるイメージなのですが、なんとも心地よい雰囲気を作り出すのです。これは異性兄弟や親子共演では不思議なことに出ないんです。同性の兄弟俳優だけができる特殊なもの。

映画の中であんなに極悪の兄を弟が助けてしまったのも、無意識下でやった行動で、同性兄弟にしかわからない世界から出た行動なんだろうなと思います。 決められた役以上のものが出ていたと思います。 それに合う言葉を縁と言うのか、同性兄弟には非常に強烈な縁を感じました。

ここのシーンがある限り、この映画は見る価値の高い映画です。 1時間10分程度しかないのですが、内容が濃く、今語った兄弟シーンのおかげで忘れられない映画です。

そのほか、勝新さんが盲人なので、若山さんを隻腕にし、対等の戦いにしたのではないかと見えますが、殺陣が上手いお二人なので、双方ハンデをつけたのは面白く見れる所でもありました。 戦う際に、不自由そうに、苦しそうになるのがいいのです。

※大映移籍後の若山富三郎さんは「城健三朗」名義です。

◾️続・座頭市物語の視聴方法

KADOKAWAオンデマンド加入で見れます。

続・座頭市物語 視聴先
https://amzn.to/42bahiw

最新情報をチェックしよう!
>松元美智子クリエイティブブログ💖公式

松元美智子クリエイティブブログ💖公式

松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

CTR IMG