阪東妻三郎さん主演映画「恋山彦」(1937年)に見る明治生まれの驚異的身体能力と時代劇の迫力
本当に古い時代の時代劇映画はチャンバラの迫力が凄まじく高いのですが、
その理由の一つに、出演者たちの異常な身体能力の高さがあると思います。
阪東さんをはじめとする時代劇六大スタアや七剣士の皆さんは、
特に凄まじい体力の持ち主で、中でも阪東さんは驚異的な体力を誇っています。
「恋山彦」という映画で、阪東さんは平家の子孫で首領の小源太という、
大柄で身体能力の高い役を演じています。
大柄さを出すために歌舞伎の衣装で長裃を着用しているのですが、
歌舞伎の衣装は大きく見えるだけでなく、重量もかなりあると言われています。
女形の衣装でも10キロほどあるそうです。
そんな重くて大きく、裾の長い衣装で薙刀を手にチャンバラをする小源太の阪東さん。
驚くのはここからで、なんと多勢を相手にチャンバラをしながら、
五重塔を下から最上階まで上がっていくのです。
五重塔の階段を登ったことのある方はご存じだと思いますが、
非常に急で、一階上がるだけでも大変です。
このシーンは長回しで撮影され、阪東さんの動きに合わせて
カメラがクレーンで上がっていくのですが、休まずに戦い続け、
4階から5階へ上がる時にはなんと駆け足で上がるのです。
さらに最上階では、これでもかというほどの大立ち回りが始まり、
阪東さんの異常とも言える身体能力に本当に驚かされました。
この身体能力の高さこそが、迫力あるチャンバラを生み出した理由の一つだと思います。
特に明治生まれの六大スタアの皆さんは、現代人と比べても明らかに身体能力が違います。
(昭和生まれ以降は本当に動きがのろく感じます。)
六大スタアの中でも阪東さんは飛び抜けた身体能力を持ち、
時代劇の王者と呼ばれたのも納得です。

イラストは私の絵柄が可愛い系なので、小源太の大柄さがまったく出せなかったのが残念ですが、
体だけ大きくしておデブちゃんの阪東さんを描くのは違うと思い、
可愛いままにしておきました。
しかし、長裃を着て薙刀で戦えるのは本当にすごいことです。
長裃とは、時代劇でよく見る裾の長い衣装で、足を出せないため歩くのも大変ですし、
滑りやすそうです。
それにもかかわらず、この衣装で普通に戦ってしまうのですから驚きです。
チャンバラの最中に、この長裃の裾をばっと蹴る仕草もあり、
迫力が増して大柄で身体能力の高い小源太らしさが出ており、感心しました。
この衣装の選択は役柄にぴったりですが、間違いなく阪東さんにしかできないと思います。
「恋山彦」と並んで「雄呂血」という映画でも、
阪東さんは大チャンバラを熱演しています。
この2本が阪東さんの異常な身体能力をよく示す作品なので、ご
興味のある方はぜひご覧ください。
ただ、「恋山彦」はもともと二部作の映画でしたが、
現在は総集編版のみとなっており、そこが少々残念なところです。
阪東妻三郎さん主演映画「恋山彦」視聴方法
阪東妻三郎さん主演映画「恋山彦」(1937年)
日活の制作で、東映オンデマンドに加入していると無料で視聴できます。
個別購入しての視聴も可能です。
「雄呂血」
時代劇専門チャンネルに加入するとロングバージョンが視聴でき、
ショートバージョンはDVDでのみ観られます。
またFODで単品購入できます。
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