時代劇に見る女性をかかえて歩く方法②
二つ目の例は、1950年の時代劇映画『ごろつき船』から、
大河内傳次郎さんが女性を背中にかついで走る姿です。
初めて見たとき、このスタイルに衝撃を受けました。
予想外のかつぎ方すぎて、どうなっているのか
頭がついて行かず、5回くらいリピートして
見てしまったほどです。
明治生まれの時代劇役者さんたちにとっては
この運び方が普通だったのか、
それとも奇想天外な大河内傳次郎さんならではの
フリースタイル走行なのかは不明ですが、
記憶に残るかつぎ方でした。
これで足場の悪い山中を普通にさっさと走るので、
走りやすいのかもしれません。
いや、これができるのはきっと
大河内さんだけだと思いたいです。

大河内さんの女性を運ぶスタイルについて考える
着物を着ている女性を、怪我や体調不良などの理由で運ぶとき、
女性が恥ずかしくない姿で運ぶのは
意外と難易度が高いことだったのかと、
時代劇を見て気がつきました。
現代では一般的には
「おんぶ」スタイルが多いと思いますが、
着物が主流だった時代は実際どうだったのかと
疑問に思うところでもあります。
『ごろつき船』で見せた大河内さんの
女性を担ぐ姿は
おんぶに近い形ではありますが、
足が垂れ下がっています。
(地面に足がつかないように膝を少し曲げています。)
おんぶの場合は運ぶ人が背中に乗せている人の足を持ちますので、
そこが大きく異なりますが、
大河内さんスタイルは漫画っぽいというか、
絵に描いたら走っているように見えるけれど、
実際には無理なのでは?と感じてしまっても当然かと思います。
しかし、実際には映画の中で普通に走れているので
奇妙でなりません。
そういえば、昔の人は風呂敷に包んだ大きな荷物を背中に
背負って運んだりしていましたね。
ふと、たくさん積まれた箱を背負って運ぶ農家の行商人を思い出し、
検索してみたら、まさに大河内さんスタイルでした。
背中に背負っている荷物の部分が女性と重なりますね。
ですので、大河内さんスタイルの女性の運び方は、
昔は普通の運び方だったのかもしれません。
ちなみに、画像のような行商人は、都心でも20年ほど前に常磐線で
見かけました。今もまだいるのでしょうか。

1950年の時代劇映画『ごろつき船』の視聴方法
東映オンデマンドに加入すれば視聴できます。Amazonでサブスク契約も可能です。
単品購入もできると思います。
(※撮影は大映です。)
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