一番平和な東映時代劇映画1954年〜1955年頃

一番平和な東映時代劇映画1954年〜1955年頃

大正の終わり頃からの時代劇映画を見ていますが、
当然、時代劇も時代ごとに作品の傾向が違います。
私が好みなのは、1954年〜1955年頃の東映時代劇映画で、
戦後約10年後の昭和29年、30年ですが、
この頃に作られた東映時代劇は、
全体的に明るく、お話はほのぼのとしたものや和み系、
展開もゆっくりとしており、見ていて癒されてしまいます。

1955年の時代劇映画『喧嘩奉行』に登場するお房ちゃんは、
江戸のお祭りを見におじいちゃんと訪れます。
重要なことをするわけでもなく、ひたすら子供を演じるだけで、
ミニお神輿を持って遊びに出かけるところなどは、
可愛過ぎて悶えました。

大道具さんが作ったのか、どこかにあったものかは不明ですが、
ミニお神輿も最高です。
セリフも変なタイミングで言ったりするところも、カットしたり
やり直させたりすることもなく公開してしまう、
東映時代劇の余裕ぶりも素敵です。

昔の時代劇映画は子供が出る割合が高いのですが、
その中でも『喧嘩奉行』のお房ちゃんは記憶に残る子供でした。

この時代は、戦後復興後の平和と、経済活動が活発化していく元気さ、
お祭りムードのような日本の明るい状況が
作品に投影されているようにも見えます。

昔の時代劇映画は子供が出る割合が大きかったことと社会について

昔の時代劇映画は子供が出る割合が大きかったのですが、
時代劇映画が斜陽化してくると、出てこなくなります。
社会や周りの環境が厳しくなると、顕著に子供に影響が出るというのは、
現代にも言えることですね。

時代劇映画は『鞍馬天狗』など子供向けの作品も多いので、
視聴する子供に合わせて、子供がたくさん出てくるというのもありますが、
多くは無邪気な子供たちのままで登場します。

この無邪気な子供たちの姿は、
社会や周りの余裕も感じさせますね。
文化芸術の分野も、社会や周りに余裕があってこそ成り立つものなので、
社会的余裕って重要なことなのだなと思います。

1954年〜1955年頃はどんな時代か

1954年、昭和29年は、時代劇映画産業が黄金期です。
社会的には、街頭テレビでプロレスに熱狂していた時代です。
1955年、昭和30年には三種の神器(冷蔵庫、洗濯機、テレビ)が
一般家庭に普及し出し、
家庭のテレビシェア率の増加とともに映画産業は斜陽化していきます。

しかし、映画黄金期時代の制作本数が異常に多かったので、
斜陽化と言っても、現代の年間制作本数と比べると
一般的な制作本数になった、とも見えます。

お房ちゃんが登場する1955年時代劇映画「喧嘩奉行」について

片岡千恵蔵さん演ずる遠山金四郎(遠山の金さん)が、
ちまたで悪さをする者を、
潜入捜査してその悪事をさばくという、
今でも続く伝統的時代劇です。

テレビ版では、桜吹雪の刺青姿を入れたコワモテヤクザのようなキャラクターで
描かれることが多いですが、
映画で描かれる遠山金四郎は人間味のあるキャラクターで、
特に片岡千恵蔵さんの金四郎はお房ちゃんみたいな子とやり取りも多いので、
人の良いおじちゃんの金四郎姿は、テレビ版とは大きく違います。
その辺りの違いも面白いところです。

『喧嘩奉行』については過去にブログで取り上げているので、
そちらも合わせてお読みください。

1955年時代劇映画「喧嘩奉行」は東映オンデマンド加入で視聴できます。
単品購入もやっていると思います。
Amazonでサブスク契約して視聴することが可能です。

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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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