1973年の「新選組」ドラマはヤクザドラマ、異色のキャストにびっくり

1973年の「新選組」ドラマはヤクザドラマ、異色のキャストにびっくり

このドラマの新選組にあるまじき
不思議な演出はなんだろうと
疑問を抱いていたのですが
中身がヤクザ映画と判明し大納得しました。
新選組異世界ヤクザファンタジーと思っておきます。

新選組といえば、若い世代が集まり、
20代〜30代のメンバーが一生懸命に真剣に生きる
青春のようなイメージですよね。

命懸けで生きた彼らの生涯が、
現代のドラマや映画では青春ドラマ風に描かれることが多いです。

ですから、出演者も若い俳優たちがメインで、
彼らが演じると新選組がしっくりきます。

ところが1973年に放送された
東映のテレビドラマ「新選組」では、
なんとコワモテのおじさん俳優が勢揃い。

最初に観たときには、
「なぜ新選組におじさん俳優たちが…?」
と驚きました。

しかも、演出が独特で、
敵同士が目を合わせて長時間無言で見つめ合い、
何もせず別れるシーンも。

これには思わず「え?何だったの?」と、
ツッコミたくなります。

主役の鶴田浩二さんが演じる近藤勇も
セリフが少なく、
隊士たちと打ち解ける様子があまりありません。

試衛館の仲間たちと親しいというよりは、
京都で新選組が発足した後に初めて会ったような、
距離感がある感じ。

共演者も遠藤辰雄さん、成田三樹夫さん、山城新伍さんなど、
コワモテが揃っています。

遠藤辰雄さんはこれまでにも芹沢鴨役を何度か
演じられていたので
割とスムーズに受け入れられたのですが
他のキャストはどうしてこの人選?
と思いました。

特に成田三樹夫さんが演じる新見錦は、
悪代官そのもので、
とても怖すぎて新選組の隊士には見えません。

悪代官や悪い役の成田三樹夫さんはすごい好きですが
成田さんが新選組隊士になるとはどうしても思えません。

最も驚かされたのは
菅原文太さんが桂小五郎役で登場したときです。

新選組と敵対する桂小五郎として
近藤勇と対峙するシーンは、頂上決戦を期待したのですが、
二人が無言で目を合わせるだけで終わり…。

「え?これで終わり?」と、
なんとも不完全燃焼な気持ちになりました。

そこで気づいたのが、
これがヤクザ映画のような演出だということ。

実際、この時代はヤクザ映画が流行していて、
1973年には東映の「仁義なき戦い」が大ヒットした年でした。

「新選組」に無言での睨み合いや、
長い見つめ合いシーンが多いのは、
ヤクザ映画で人気だった演出が反映されていたんですね。

キャストもコワモテのベテラン俳優が揃っているのも
その影響だったのでしょう。

とはいえ、新選組をヤクザ風に仕上げるのは衝撃的で、
当時のトレンドを活かした新解釈だったのかもしれませんが、
今観ると、ヤクザのしぐさや心理描写がわかりにくい部分も多く、
まるで「異世界ヤクザファンタジー」を見ているようです。

なので、このドラマがヤクザドラマとわかって視聴すると
理解しやすいと思います。

上記でお伝えした
監察の山崎烝役、山城新伍さんが
障子を閉めるシーンは36:30秒あたりです。

1973年新選組の1話目はヤクザ映画のコワモテが
たくさん登場します。
そして一番怖いです。

12話以降で路線変更する1973年新選組を書いたブログはこちら。


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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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