1939年公開月形龍之介さん主演「無明有明(後篇)」感想、昭和の傑作時代劇を国立映画アーカイブで鑑賞

1939年公開月形龍之介さん主演「無明有明(後篇)」感想、昭和の傑作時代劇を国立映画アーカイブで鑑賞

月形さんが若い頃に主演された映画は、
DVD化も配信サービスもほとんどされていませんが、
国立映画アーカイブ・返還映画コレクション(3)で上映されると知り、
「これは今しかない」と思い、観に行ってきました。

主演が月形龍之介さん、監督は松田定次さん、制作は日活。
この三点を見て「絶対に面白いはず」と期待していましたが、
それを遥かに超える素晴らしさでした。

月形さんはチャンバラがとても上手で、この作品では若さもあって動きも良く、
さらに、派手なチャンバラ演出に定評のある松田監督が、
かっこよく演出してくれていて、とても気分が高まりました。
この映画がアメリカに没収されたというのも納得です。

また、俳優一人ひとりの細かな演技や所作、台詞まわしも自然で、
カメラワークや音楽などの要素も優れており、
昭和一桁時代の映画のレベルの高さに心から感動しました。

なお、子供が入った樽が山から転がって川に落ち、
どんぶらこと流れるシーンにはびっくりしました。
急にとんでもない展開が入るので
ハッとしてしまいましたが、
まんまと松田監督の術中にはめられる、
こうした仕掛けの多い映画でもあります。

「無明有明(前篇)」は現時点では残っていないようで残念ですが、
後篇だけでも構わないので、配信サービスやDVDで残してほしいと強く願っています。
本当に素晴らしい映画でした。

「無明有明(後篇)」について

あらすじ

『婦人倶樂部』に連載されていた吉川英治の同名小説を映画化。
人斬りの下手人に仕立てられた北條(月形)はなんとか逃亡するも、
妻と子どもとは離れ離れになってしまう。
陰謀や怨念に巻き込まれながらも、濡れ衣を晴らし、
家族と再会するために奮闘する姿を、
大胆なアクションを交えて描いた時代劇。
(引用:返還映画コレクション(3))

衣装について

「無明有明」の映像や画像がほとんど存在しないため、
映画を観た記憶を頼りに衣装をイラストに描きました。
たしか、月形さんは雲水か虚無僧のような服を着ていたように思いますが、
私は記憶力には自信がないため、
イラストの服装はどちらともとれるような曖昧なものになっています。
正確ではない点をご承知おきください。

なお、映画には僧侶役の方も登場し、その方が雲水の装いだったかもしれません。
月形さんは虚無僧の服装だった可能性もあります。

ただ、月形さんのポニーテール姿は超レア映像です。
「こんな時代もあったのか」と感心しながら鑑賞しました。
月形龍之介さんといえば、東映映画『水戸黄門』の黄門様役で
ご存知の方も多いと思います。

「無明有明(後篇)」の視聴方法

2025年8月2日(土)19:00
長瀬記念ホール OZU にて上映予定です。
8月2日が「無明有明(後篇)」の最後の上映日となります。
上映についての詳細は下記でご確認いただけます。

◾️「無明有明(後篇)」 国立映画アーカイブ・返還映画コレクション(3)
https://www.nfaj.go.jp/program/repatriated_film3_202507-7/


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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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