1957年時代劇映画市川右太衛門さん主演「旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷」の衝撃の山場
時代劇のクライマックスに将軍暗殺を描く作品は多いですが、
映画ともなると、防ぎようのない銃撃や
派手な爆薬、大火などを用いた演出がされるものです。
そこが醍醐味でもあります。
しかし、時代劇黄金期でドル箱シリーズでもあった
「旗本退屈男」は、お金をたっぷりかけられていたと思われるにもかかわらず、
将軍綱吉暗殺に東映特撮お手製の毒蛇一匹で済ませるという
仰天の山場が展開されました。
爆薬や鉄砲が一つもなかった理由は、
おそらく主人公の旗本・早乙女主水之介の
何度も着替える豪華な着物の衣装代が
かかりすぎたからでは?と思われます。
また出演している役者の年齢層は高めですが、
おじさん達が真剣な顔で「コプラ」の猛毒話を
聞いている姿には笑ってしまいました。
お戯れが過ぎるので、
もしかしたら旗本たちのお遊びとして作られた映画なのかもしれません。

1957年時代劇映画 市川右太衛門主演「旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷」のあらすじ
退屈を持て余す旗本・早乙女主水之介(市川右太衛門)の
屋敷に女が訪れ、助けたことをきっかけに
将軍暗殺、徳川家滅亡を謀る一味の存在を察知する主水之介。
事件の謎を解くため、舞台は江戸から岩国・錦帯橋、九州・長崎、
そして敵の本拠・安芸の宮島へと移っていきます。
将軍綱吉が歌舞伎を鑑賞中に暗殺計画が実行されるも、
早乙女主水之介が防ぎ、豪快な剣さばきで大乱闘を繰り広げます。
最終的に将軍暗殺は阻止され、一件落着するという展開です。
「旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷」で将軍暗殺に使用された「コプラ」(コブラのことです)
市川右太衛門主演の「旗本退屈男」シリーズは
豪華な映像美が見どころですが、
中でも早乙女主水之介の衣装の豪華さは群を抜いています。
この作品の中で何度か衣装チェンジがあるのは通常ですが、
「旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷」では特に多く、
豪華な衣装が次々と登場します。
あの派手な着流しは一着でも相当高価に見えますが、
それが何十着も揃えられているので、
相当な衣装代がかかったのではないかと推測されます。
旗本の派手な暮らしを演出するために
贅沢な着物を多数用意するのは納得ですが、
これほど衣装チェンジの多い作品は他にあまりありません。
また、「謎の蛇姫屋敷」は諸国漫遊もののように
様々な地方を巡る展開のため、
ロケ地やセットにも相当な予算がかかっています。
映画を見ると、どの場面も絢爛豪華。
この作品にどれだけの予算が割り振られたか、
時代劇黄金期の煌びやかな世界を垣間見ることができます。
しかし、衣装や舞台にお金をかけすぎたせいか、
将軍暗殺の手段が東映お手製の毒蛇一匹というのは笑いました。
普通、将軍暗殺が描かれるとなると
爆薬や大火を使ってド派手な演出がされるものですが、
この映画では、なんと天井からカゴに乗った毒蛇「コプラ」が降りてきて
将軍を狙うという展開に。
こんなにお金をかけた豪華な映画なのだから、
将軍暗殺のクライマックスはさぞかし壮大なものになるだろうと
期待していた私としては、
この演出には衝撃を受けました。
東映時代劇映画は、時折、突拍子もない展開を入れてくることがありますが、
まさか「旗本退屈男」でこんなコミカルな演出がされるとは
予想もしなかったので、本当に驚きました。
そういった点も含め、非常に面白い映画でした。
1957年時代劇映画「旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷」の視聴方法
この映画は 東映オンデマンド や Amazonプライム で視聴可能です。
単品購入やサブスクリプションで楽しめます。
絢爛豪華な映画の世界観と、
東映のユーモア溢れる演出を、ぜひ堪能してください。
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