時代劇言葉の使われ方「ぶらりんこん」
「ぶらりんこん」の意味
• 独り身、独身
「ぶらりんこん」の使われ方
1955年の時代劇映画「喧嘩奉行」において、
日本一の刀研師(かたなとぎし)を尋ねて来た
砥石屋(といしや)藤右衛門(とうえもん)と、
刀研師宅に居候している
遠山金四郎(片岡千恵蔵さん)が会話の中で使った言葉です。
藤右衛門のバリバリのじいちゃん言葉使いも見どころです。

1955年の時代劇映画「喧嘩奉行」とは
「喧嘩奉行」は「いれずみ判官」シリーズ、または「遠山の金さん」として知られています。
遠山金四郎が登場する時代劇映画は、昔から様々な映画会社で制作されてきた人気作品ですが、
当時は「遠山の金さん」という呼び方はなく、映画のタイトルも統一されていませんでした。
片岡千恵蔵さんが遠山金四郎を演じたシリーズ(東映)に「いれずみ判官」という
サブタイトルが付けられたことをきっかけに、「遠山の金さん」という名称が誕生し、
後にテレビシリーズでも使われるようになります。
そのため、遠山金四郎が主役でもタイトルが統一されておらず、
「喧嘩奉行」と聞いただけでは遠山金四郎の話だと分からないかもしれませんが、
この作品は遠山金四郎が主人公の「遠山の金さん」の一作です。
「喧嘩奉行」のあらすじ
遠山金四郎が事件を追い、お白州で解決するという、
遠山の金さんならではのパターンのお話です。
下総の領主・跡部家に上様から拝領された刀「あかね丸」が盗まれ、
跡部家はお家断絶に陥ります。
あかね丸をめぐる陰謀を察知した遠山金四郎は事件の解決に乗り出します。
「喧嘩奉行」では、遠山金四郎が初めてお白州の舞台に上がるという重要なエピソードもあり、
緊迫感あふれる映画でもあります。
今回、遠山金四郎が身を寄せている家は、日本一の刀研師・長左衛門の家です。
そこに砥石屋の藤右衛門が孫を連れて訪れ、
その時の会話の中で「ぶらりんこん」という言葉が登場します。
「ぶらりんこん」について
「ぶらりんこん」という言葉は、町人たちの間で使われる俗語のようなものと思われます。
「ぶらりん」という言葉自体は「ぶらぶら」という意味があり、
三河弁の「りん」が付いて「ぶらりん」となったという説があります。
ぶらりんの後にさらに方言が加わって「ぶらりんこん」になった可能性もあります。
少し可愛らしい響きのある言葉ですが、
まさか「独り身、独身」を意味するとは思いませんでした。
映画の中で藤右衛門が遠山金四郎(片岡千恵蔵さん)に対して
「おめえ様はまだ、ぶらりんこんのお身の上だかね」と言うシーンがあります。
この時、金四郎は少し困ったような、照れたように「まあ…」と返事をします。
その後、藤右衛門から「それはいかん」と説教されますが、
金四郎は「早速のお叱り、恐れ入ります」と礼を述べてその場を去ります。
金さんもこうした話題は苦手のようですね。
片岡千恵蔵さん演じる遠山金四郎は、事件解決の場面では真面目で厳格ですが、
「ぶらりんこん」のエピソードのような微笑ましい場面もあり、
緩急のついた楽しい内容になっています。
とても面白い作品なので、ぜひご視聴ください。
1955年の時代劇映画「喧嘩奉行」の視聴方法
この映画は東映オンデマンドやAmazonプライムで視聴可能です。
単品購入やサブスクリプションで楽しめます。
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片岡千恵蔵さん演ずる遠山の金さんは
このブログでたびたび登場します。