時代劇言葉の使われ方「貴公(きこう)」
「貴公(きこう)」の意味
・ 二人称人代名詞
・男が同輩、年下の者を呼ぶ語
「貴公(きこう)」の使われ方
1959年の時代劇映画「水戸黄門 天下の副将軍」において、
東千代之介さんが演じる助さんと、里見浩太朗さんが演じる格さんが、
二人で飲み、芸妓に立て替えさせた飲み代(約15万円)について、
水戸家側用人の伝兵衛からお金を受け取るため、
どちらが伝えるかで揉めている場面があります。
この場面では、怒られるのを恐れて二人が言い争っています。
「頭を下げる役は当然貴公だ。」

1959年の時代劇映画「水戸黄門 天下の副将軍」あらすじ
天下の副将軍・水戸黄門が、高松藩主・松平頼常の狂気の噂を耳にし、
その裏に隠されたお家乗っ取りの大陰謀を暴こうと高松へ乗り込む物語です。
当時の東映時代劇オールスターが揃い、剣あり、恋あり、唄や踊りあり、笑いありの娯楽超大作。
完成度の高さからシリーズ中の傑作として評判を呼び、公開当時には大ヒットを記録しました。
配役は以下の通りです
• 水戸光圀:月形龍之介
• 松平頼常(高松藩第二代藩主、光圀の実子):中村錦之助
• 佐々木助三郎:東千代之介
• 渥美格之進:里見浩太朗
• 伊之吉:大川橋蔵
• 将軍綱吉:若山富三郎
• 佐伯将監(高松藩城代家老):山形勲
• 中川与惣右衛門(高松藩留守居役、鞆江の父):進藤英太郎
• 大田原伝兵衛(水戸家側用人):大河内傳次郎
映画版の水戸黄門シリーズは過去にも数多く制作されていますが、
1950年代後半に制作された作品は、主に上記のメンバーが主要な役柄を担当しており、
映画ごとに役柄が変化しています。
「水戸黄門 天下の副将軍」の配役はシリーズの中でも特に適しており、
この映画が大ヒットしたのも納得できます。
特に、水戸黄門でお馴染みの助さん・格さんを演じる東千代之介さんと里見浩太朗さんは、
当時20代で元気いっぱいの時期でした。
若さと活力を活かした助さん・格さんの性格付けがされており、
光圀を護衛する立場のしっかりした部分と、
旅の途中でハメを外す無邪気さの対比が描かれています。
たとえば、夜に旅宿を抜け出してお酒を飲みに行き、芸妓たちと大いに盛り上がった結果、
高額な飲み代を請求されるというエピソードがあります。
助さん(東千代之介さん)はその場を収めるため、一時的に芸妓に立て替えを頼み、
宿にいる水戸藩側用人の伝兵衛にお金を無心しようとします。
しかし、伝兵衛は非常に厳格な人物であるため、怒られるのが目に見えており、
助さんと格さんがどちらが言い出すかで揉める姿がコミカルに描かれています。
このような子供っぽいエピソードが随所に散りばめられており、楽しいシーンが満載です。
また、主要メンバーにはそれぞれの役者に合ったキャラクター設定が用意されており、
キャラクターが魅力的に描かれています。
この工夫が作品全体の面白さを引き立て、観客に好印象を与えます。
テレビシリーズの水戸黄門は年齢層の高い出演者が多く、
それに応じた落ち着いた内容が展開されていますが、
この映画版は若々しいエネルギーに満ちており、
テレビシリーズしか知らない世代にとっては新鮮に感じられるでしょう。
1959年の時代劇映画「水戸黄門 天下の副将軍」の視聴方法
この映画は東映オンデマンドやAmazonプライムで視聴可能です。
単品購入やサブスクリプションで楽しむことができます。
テレビ版にはない楽しさや魅力的なキャラクターが詰まった、
元気いっぱいの水戸黄門映画版をぜひご覧ください。
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「時代劇言葉の使われ方」について
時代劇好きのブログ管理人が、古い時代劇作品で使われていた言葉を、
実際に登場する映画やドラマの中から紹介しています。
現代ではあまり使われなくなった言葉でも、その意味や使い方がわかれば、
日常生活の中で語彙力を高めたり、言葉遊びとして楽しむことができます。
時代劇を通じて、こうした古い言葉を取り入れてみるのも面白い試みです。
さらに紹介した言葉の作品内容も楽しめるブログです。