時代劇言葉の使われ方「わらじを脱ぐんじゃなかった」

時代劇言葉の使われ方「わらじを脱ぐんじゃなかった」

「わらじを脱ぐんじゃなかった」の意味

• 「わらじを脱ぐ」をもじった造語

• 宿泊先がヤバい状況だった

「わらじを脱ぐんじゃなかった」の使われ方

1967年のTV時代劇「俺は用心棒」において、
長州の刺客でヤクザの新太(中野誠也さん)が泊まった旅籠で、
幸せ女将がヤクザの仙次郎に拉致されます。

実は女将には辛い過去があり、
その過去を知った旦那が怒り狂う場面に
新太が居合わせおり、その際、
新太はヤクザ用語である「わらじを脱ぐ」をもじった表現で
「わらじを脱ぐんじゃなかった」と言います。

「わらじを脱ぐ」は次郎長などの作品ではよく使われますが、
「わらじを脱ぐんじゃなかった」というセリフは聞いたことがなく、
思わず吹き出してしまいました。

このセリフは、おそらく原作者であり脚本家の結束信二さんによる
洒落た造語だと思われますが、
深刻な話の最中に妙なセリフを入れてクスッとさせるのは、
東映時代劇らしいなと思います。

1967年のTV時代劇「俺は用心棒」について

この作品については、過去にブログでメインキャラクターを紹介しています。
主演は栗塚旭さん。脇を固めるのが島田順司さん、左右田一平さん、
そして中野誠也さんです。
基本的にこの4名がドラマに多く出演しています。

島田順司さんは新選組の沖田総司役であり、
その新撰組と用心棒役の栗塚さん、柔術指南の万平こと左右田さんは関わりがあります。
一方、長州の刺客で渡世人(ヤクザ)の新太とは敵対関係にありますが、
お互いに関わるうちに次第に近い関係になっていきます。

新太が旅籠を訪れた際も、左右田さんが先に宿泊しており、
彼が新太に声をかけたことでスムーズに宿泊先が決まりました。
しかし、その後、旅籠の台所を手伝っていた左右田さんについていくと、
何やら深刻な話が行われており……

といった具合に、旅籠とヤクザたちのいざこざに巻き込まれてしまいます。
何も知らなかった新太にとって、突然の深刻な事件は驚きだったでしょう。
そういう状況から「わらじを脱ぐんじゃなかった」というセリフが出てきたわけですが、
本職のヤクザである新太がこの言葉を使うのは、あまりにも面白すぎました。

原作者・脚本家の結束信二さんは、東映黄金期の時代劇映画を多く手がけています。
真面目な作品からコメディまで幅広いジャンルを作っており、
その中で、こうしたちょっと面白い造語を突然入れるのも上手です。

さらに、東映の時代劇作品にはコメディ路線のものも多く、
その流れが東映のテレビ時代劇にも受け継がれていったのだなと思うと、
古い時代劇作品を見てきた私としては嬉しい瞬間でもあります。

このお話の回は最後は、万平と新太、そして旦那と
旦那と女将の父親がヤクザたちが住む家に女将を助けに乗り込みます。
そこにはヤクザの親分に用心棒で雇われていた栗塚さんがいて
突然の殴り込みに用心棒の出番となりますが、
殴り込んできたのが新太たちだとわかると用心棒は新太に加勢します。

(ヤクザの仙次郎がロクデナシと言うのは事前に知っているので
寝返っても不思議ではない展開です。)

相手がヤクザたちなのでチャンバラも派手におこなわれましたが
新太と用心棒が一緒になると双方イケメンでスタイルが良いので
画面が映え、見た目にも良い回でした。

1967年のTV時代劇「俺は用心棒」の視聴方法

この作品は現在DVDのみ視聴可能です。
とても人気のある作品なので、DVDは比較的手に入りやすいと思います。
大変面白い作品なので、おすすめです。

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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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