1962年松竹映画『切腹』|仲代達矢・三國連太郎・丹波哲郎さんらが魅せる圧巻の復讐劇

1962年松1962年松竹映画『切腹』|仲代達矢・三國連太郎・丹波哲郎さんらが魅せる圧巻の復讐劇

3代将軍家光の時代。井伊家家老・斎藤(三國連太郎さん)と
家臣(丹波哲郎さん)らは、
困窮浪人が「金品目当てで切腹を申し出る」流行を
快く思っていなかった。

そこへ現れた求女・うねめ(石濱朗さん)は、
病に苦しむ妻子のため金策として切腹をしに来たが、
斎藤らは事情も聞かず切腹の場を与える。

所持の脇差は困窮ゆえ竹光にもかかわらず、竹光で切腹を強要し最期を迎えさせた。

非道な仕打ちに仇討ちを誓った半四郎(仲代達矢さん)は、
井伊家へ「切腹のためお庭拝借」を申し出る。
家老斎藤らは、徐々に半四郎の真意と恐ろしさを知ることになる。

というお話ですが、インパクトのあるタイトルの裏事情と、
話の進め方がお見事で、始まりから終わりまで魅入ってしまいました。

仲代さんは当時29歳でしたが、50歳の父役として、
娘家族の悲惨な死や仇討ちを背負う人物像を29歳で演じたとは
思えないほど的確な役作りに驚きました。
この作品の仲代さんは本当にやばいです。

また中年期の丹波哲郎さん、三國連太郎さんらが脇を固め、
恐ろしすぎる井伊家を演じています。

音楽は武満徹さんで、役者たちの低い声と相まって、
セリフがまるで音楽のように心地よい効果を生んでいたのも特徴的。
スタイルも殺陣も大変よく、重い話を最後まで見させる力は、
やはり役者さんの力が大きいのだと感じました。
素晴らしい作品でした。

物語では、求女や半四郎の娘・美保(岩下志麻さん)が良い人で、
恐ろしい井伊家との対比が作品をさらに面白くしています。
井伊家きっての剣客を丹波哲郎さんが演じていますが、本当におっかない。
漫画にも描きましたが、采女を竹光で切腹させている最中に苦しむ采女へ
「まだまだ」と煽る姿は本当にひどかったです。

三國連太郎さんは家老として井伊家を取り仕切りますが、こちらも怖い。
すっとぼけたように見せつつ、大きな表情変化はなくとも心情が顔に滲み出るので、
それが余計に恐ろしく感じました。
映画の後半、半四郎の正体が明らかになり、
丹波さんら家臣との斬り合いの末に髷を切り取られていたことを知り、
家老斎藤は「これはまずい」と多勢の家臣に半四郎の始末を命じます。
家臣らの前では強気の斎藤が一人になると狼狽し焦る姿の表現があまりにも上手く、
斎藤は特に記憶に残る役となりました。

仲代さんは浪人の父親役ということで髭もじゃの小汚い風貌、
ゆっくりした話し方など父親らしさがよく出ていたので、
中年期頃に撮影された作品かと思っていたら、29歳だったと知って本当に驚きました。
仲代さんは1954年公開『七人の侍』でエキストラの浪人役として映画デビューしましたが、
歩き方が悪いと黒澤明監督に半日歩かされ「いいや OK」と言われた経験から、
その後何度も黒澤監督のオファーを断り続けたそうです(『乱』では主演)。

半四郎は大坂夏の陣を戦った過去がある設定ですが、
井伊家家臣は剣術に長けていても実戦経験はなく、
半四郎が「所詮は畳の上の睡蓮」とあしらう姿は頼もしかったです。

見どころの一つに、丹波哲郎さんと仲代達矢さんの果し合いがあります。
お二人とも恵まれた体格と剣術、さらにカメラや演出も素晴らしく、名場面でした。
ラストの「多勢の井伊家家臣 VS 半四郎一人」の殺陣は最大の見どころで、大変かっこよく、
小道具の使い方も秀逸。見終わった後、このシーンだけ5回ほどリピートしてしまいました。

最期は仲代さんも切腹して果てますが、この後に及んで家老・斎藤が都合の良いように処理し
井伊家が賞賛されてしまうというラストは、なんとも切ないものでした。

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