『壮烈新選組 幕末の動乱』(1960年)東映時代劇のチャンバラと史実無視の面白さ

『壮烈新選組 幕末の動乱』(1960年)東映時代劇のチャンバラと史実無視の面白さ

昔の時代劇は史実を無視して新たな創作を加えることが多いのですが、
片岡千恵蔵さん主演「壮烈新選組 幕末の動乱」では、
最初こそ「事実をそんなに変えてしまっていいのか」と思いましたが、
それ以上に魅力的なエピソードや展開に惹き込まれ、
さらに東映時代劇を支えたチャンバラメンバーがそろって
見応えのある対決を繰り広げるので、史実がどうでもよくなるほど
面白い映画でした。

この映画では敵味方といっても境界線が絶妙なバランスで描かれており、
裏切りあり助けありの展開。
「このメンバーのうち誰と誰が対決するのか」という
私自身の楽しみも期待を高めましたが、
それを上回る佐々木康監督のお見事な手腕が光る映画でした。

それにしても若山富三郎さんの沖田総司が、超健康優良児のチンピラのようで
おもしろすぎました。

史実の無視ぶり

この映画には原作があり、白井喬二さんの『新撰組』です。
新撰組というタイトルではありますが、新選組メンバーが中心の物語ではなく、
但波織之助が主人公のお話です。

しかし映画では織之助が中心となる展開ではなく、
あくまで近藤勇が主人公なので、原作に忠実でもない様子です。

さて、上記の漫画で描かれているように、
新選組の編成が見慣れない斬新な組分けになっていたり、
伊東甲子太郎が新選組誕生の時から登場していたりします。

冒頭から「え????」と二度見したくなるような展開が連発しますが、
それがどうでもよくなるほどエピソードや展開が面白く、
映画に引き込まれていきます。

こういうところが昔の時代劇の凄さですね。

東映時代劇チャンバラについて

東映の時代劇はチャンバラが派手ですが、
黄金期は特に派手で長尺。役者さんたちの技量の高さは
本当に素晴らしいと思います。

昔の時代劇は「オールスター」といって、所属俳優の中でも
売れっ子を集めたメンバーで映画を制作し、
その売れっ子たちはチャンバラも大変上手なので、
贅沢で華やかで見栄えの良い映画になります。

「壮烈新選組 幕末の動乱」のメンバーは、いつもの東映チャンバラとは違う楽しさがある

「壮烈新選組 幕末の動乱」では、東映所属のメンバーに加えて
高田浩吉さん、戸上城太郎さん、若山富三郎さんという
松竹や新東宝からの移籍メンバーが加わったことで、
どんなチャンバラになるのか分からず、そこも楽しみの一つです。

さらに物語が敵味方に分かれていながらも境界線が曖昧で、
絶妙なバランスで描かれているため、
最初から最後まで固定された敵味方の対決ではなく、
時には敵味方が入れ替わったり、裏切りがあったりしながら
対決するところが最大の面白さでした。

ただし、新選組にしては「剣客すぎる」配役ではないかとも思います。
黒川弥太郎さんの土方歳三はカッコ良すぎですし、
若山富三郎さんの沖田総司は冒頭にも書いたように
健康優良児のチンピラで、強すぎておもしろかったですが
逆に新鮮でもありました。

新選組隊士には上記漫画で書かれている以外の
有名な方々も大勢出演されておりますが
ちょい役やセリフなしの役者さんがほとんど。
オールスターはそこがもったいないところです。

主要メンバーは
新選組と徴収薩摩勢の配役がバランスよく、
チャンバラシーンになると「この中で誰と誰が対決するのか」が楽しみとなり、
俳優さん同士のチャンバラ対決も見どころです。

まるでトーナメント戦のような気分で視聴していましたが、
最終決戦が誰と誰になるのかは全く分からず、
そこも楽しみの一つでした。

史実や原作を無視してここまで面白い映画にできるのは、
この時代の映画制作に関わった皆さんの
高い技術力があってこそだと思います。

本当に楽しい映画でした。

片岡千恵蔵さん主演「壮烈新選組 幕末の動乱」の視聴方法

東映オンデマンド加入で視聴できます。

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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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