芥川龍之介『蜘蛛の糸・杜子春』を再読|短編の名作と衝撃の「猿蟹合戦」
「蜘蛛の糸」は小学生の頃の教科書に掲載されていたので懐かしく、
子供の時に文章を読みながら物語のイメージが
頭に浮かんできた体験を思い出しました。
同時に、こうしたイメージが自然に浮かぶ文章には、
そうそう出会えるものではないという思いも湧き上がってきました。
私はファンタジーや魔法系のお話は全く書けないので、
芥川龍之介のファンタジーを読みながら「すごいなー」と感心していたところ、
「猿蟹合戦」というタイトルが目に留まりました。
この御伽噺の作者は芥川龍之介だったっけ?と疑問に思いながら読んでみると、
なんとこの子供向けの御伽噺に対して、
キレまくる芥川龍之介の猿蟹合戦その後の話でした。
「蟹の仇討に猿を殺した彼らは警官に捕縛され監獄に投ぜられた。
主犯蟹は死刑になり、臼、蜂、卵等の共犯は無期徒刑の宣告を受けた。」
こうした話が四ページにわたり書かれており、
芥川龍之介の奇才ぶりが垣間見える貴重な資料として感心しました。
子供の御伽噺にここまで怒り狂うことができるのも、
また文豪なのだなと思いました(半分笑いましたが)。
蜘蛛の糸・杜子春について(新潮文庫)
・目次
蜘蛛の糸
犬と笛
蜜柑
魔術
杜子春
アグニの神
トロッコ
仙人
猿蟹合戦
白
どのお話も数ページ程度の短い物語です。
初めて読む話も多くありますが、やはり読むだけでイメージが自然に湧いてきます。
子供の頃は単純で綺麗なイメージだったのに対し、
大人になると描写の細かさやリアルさが際立ち、
「はっ」とするシーンが多く感じられました。
短いお話でありながら、必ず心を鷲掴みにされる場面があり、
情景を文章で描ける「文豪」と呼ばれる人の凄さを改めて実感しました。
本当に感動しましたし、ピュアな気持ちになったような気分にもなりました。
そんな綺麗な心になっていたところに、
急展開の「猿蟹合戦」が現れ、衝撃を受けました。
驚きと笑い、そして芥川龍之介の奇才ぶりにゾッとしつつ、
「蜘蛛の糸・杜子春」(新潮文庫版)の構成の良さにも感銘を受けました。
満足度はかなり高い一冊です。
「蜘蛛の糸・杜子春」(新潮文庫)の閲覧方法
Kindle版、文庫本が下記で販売されています。
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