薬師寺東棟全面解体修理14年の密着取材番組

薬師寺東棟全面解体修理14年の密着取材番組

膨大なパーツの解体組立もすごい技術ですが
薬師寺加藤管主の言う
東棟は1300年間毎日誰かが手を合わせて祈ってきた
と言う人間が繋いできた思いに感動しました。

「祈りの内容は幸せの祈りだったり、苦しみや悲しみの祈りかもしれないが、
誰かが毎日薬師寺の前で手を合わせてきたことは間違いない。
そういった思いを現代の人にも伝えること、そのことがとても大切。
東棟が文化財としてある、ということだけではなく、
心を伝えることがとても大切。」
と、加藤管主はおっしゃっておりました。

この言葉を聞いた時に、
私が小さな頃からずっと疑問に思ってきた
建造物の存在理由の謎が解決しました。

そしてその建造物の存在理由の一つに、人の存在があったこと。
東棟の前で行われる一人の小さな祈り、
理由はなんであれ、それを毎日続けてきた。
毎日続けることは、自分一人だけで毎日続けたのではなく、
知らない人も含めてみんなで、
時代を超えて、驚くほど長い年月の
1300年を繋いできたという事実に
なんとも言えない感情が込み上げましたね。

1300年間東棟の前で祈ってきた人たちの
走馬灯を見たような気さえしました。

すごい、本当にすごいですね。

奈良や京都の歴史的な建造物を見るときの感動は、
外観が素晴らしい、細かくてすごい、というだけではなく、
こういった、建立当時から現在まで、
その建造物に関わってきた人たちの
思いやその人達の歴史も建造物に入り込んでいて、
建物から発するたくさんの人の思いに惹きつけられ、
感動していたのかもしれないと思うと、
人間の感覚的なところから深く納得したような気がしました。

また、東棟の全面解体修理、組立には
全国から多くの技術者達が携わり、
1300年前と同じ材質を使ったり、
修復した箇所を他の部分と同じ色にすることなど
難しい制約を設けながらの作業で、
それを成し遂げる現代技術にも驚きましたが、
1300年前にすでに完成していた技術力がさらにすごいですね。

そして、一般の方達も、写経を書き、
その写経を東棟へ納める作用を行いました。
こうした技術者のみでなく、
一般の方達の参加も加わった点が、
東棟、薬師寺というところがどういう場所であるかを垣間見た
このプロジェクトの素晴らしい部分の
一つでもありました。
写経の和紙も東棟の木材が入っているそうです。

さらに、この14年間密着取材をしたABC放送さんの番組の作り方、
見せ方の部分にも大変勉強にもなりましたので、
全てにおいて素晴らしいドキュメンタリーで番組でした。

東棟全面解体修理14年間の密着番組には、
作業を行う技術者達の匠の技術と一般参加者、
そして、東棟の存在理由の一つでもある、
薬師寺加藤管主の言う、
1300年間毎日誰かが祈りを捧げてきた人の繋がりが
この建物を見た時に感動を与えるものの正体であったと
いうことが新たにわかりました。

私もこの1300年繋いできた祈りに加わりに
東棟に行こうと思います。

最新情報をチェックしよう!
>松元美智子クリエイティブブログ💖公式

松元美智子クリエイティブブログ💖公式

松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

CTR IMG