昭和12年映画「土屋主税 雪解篇」が素晴らしすぎた

昭和12年映画「土屋主税 雪解篇」が素晴らしすぎた

赤穂浪士討入りの話ですけど
演出がすごかった。特に演者たちの着物が男女共全員派手。
大石内蔵助がチェックの着物や水玉模様の羽織着てるし、
時代劇に音楽が弦楽器で悲劇になりにくいのは発見でした。

明治や大正時代の着物を見たことがあるのですが
どれもこれも大きな柄で色彩も原色でとても派手なのですが
たまたま見た着物が派手だったのかなと思ったのですけど
日本の江戸時代とか本当に派手な服装していたのですね。

新撰組の羽織とか、浅葱色の三角柄なんて派手じゃないですか
あれも本当だったんだとこの映画を見て腑に落ちました。

しかし、大石内蔵助のどでかい水玉模様の羽織姿を見た時は
驚愕しましたね。息が数秒は止まりました。
うそうだろうと思って3回くらいシーンを巻き戻してしまいました。笑
だって、今まで見た昭和後期から現在までの忠臣蔵映画の
大石内蔵助は水玉模様の羽織なんて着ていませんでしたから。
びっくりしましたね。

最近作った時代劇の衣装の方がわざと
地味にしていたんだなと思いました。

土屋主税 は元々は歌舞伎の演目だそうで、
歌舞伎から来ているとなると
衣装が派手というのも納得します。

土屋主税 雪解篇の映画の登場人物は
全員カツラとか派手な着物やお化粧が自然で似合うのですよ。
歌舞伎のお化粧に近いので全体的にキャラクターのような感じです。
人間よりも誇張した演出が良かったとも思いますね。

映画の話は単純なのですけど
近年の忠臣蔵でよく描かれる
浅野内匠頭と吉良上野介の確執部分とか、浅野の切腹、
赤穂浪士たちが計画を企てて討ち入りをして
派手な立ち回りをして吉良上野介を成敗する。
というような演出は、土屋主税 雪解篇の映画の中では一切ありません。

直参旗本である土屋主税の屋敷が、吉良上野介の屋敷の隣で、
討ち入りの際、吉良を助けることもなく、むしろ灯りをともして、
邸内を見え易くしたりして助成した、という話が中心です。

もちろん、赤穂浪士たちや大石内蔵助は登場しますが、
割と少しだけしか出てきません。
大石内蔵助がメインではなく、赤穂浪士の一人とその妹のエピソードや、
その妹が土屋主税の家へお仕えし、
土屋主税邸で繰り広げられる
話がメインであります。

忠臣蔵の違う目線から描かれた点が
私にはとても新鮮でしたので
非常に面白かったです。

登場人物たちの所作や発声とか、言葉遣いも丁寧で、
聞いていてこことよかったですね。
着物の着方や崩し方も粋で綺麗でかっこいいです。

そして音楽には大きく驚きました。
時代劇の洋物の弦楽器、ヴァイオリンなどが映画音楽に使われているのですよ。
古い時代の洋画のように、ここは宮廷?これから舞踏会でも開かれるのかしら
というような音楽です。意外性ありますよね。

殿様と西洋の宮廷音楽は意外にも合うんだということがわかり
宮廷音楽のおかげで映画に華やかさが生まれ、
悲劇さを全く感じさせなかった点も素晴らしいなと思いました。

赤穂浪士の討入りというからには悲劇、チャンバラなどをイメージをする方が
偏った認識でもあったのかなとも感じました。

上映時間も驚きの1時間なので
サクッと見れます。
Amazonプライムで無料で見れますよ。

本当に良い映画を見ました。

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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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