是枝監督作品を通して学ぶ映像制作への取り組み方
頭の中の最初のイメージや考え方がその通り形になるのではなく
常に問い返され修正更新されていく、
撮影現場で人との作業によってどんどん変化していく。
一人で考えてきたことなど大したことじゃないという
批評性みたいなものは監督にとって大切なものと思う。
自分を過信しないということが作品をより多くの人に開いていく。
まずは現場のスタッフに開いていく。
そうすることでみんなが有機的につながっていく。
撮影現場は何かをやってはいけないというルールや制約がない場所、
役者さんがリアルに自由に写っているなら
そういうことから生まれている、
そういう環境を作ることが監督がやることだと思う。
そう語る是枝監督のお話の中でとくに印象に残ったのは
「作品を多くの人に開いていく」
という点です。
一人の世界で完結してしてしまいやすい作品づくり、
なぜ人に理解されにくい作品になってしまうかは、
他人へ自分の作品を開いていくことをしなければ
いけないということ。
個人で作っている分には一人の世界で
作ることを楽しむ一人の世界の完結で良い話ですが、
商業的となると
自分以外の他人は楽しめなくない作品など皆無であることから
作品を多くの人に開いていくということは必要なことですね。
是枝監督の作品を通して学ぶ映像制作への取り組み方は、
是枝監督作品の中から
誰も知らない、歩いても歩いても、そして父になる、万引き家族
を取り上げ、この映画の構想から撮影編集までを
監督がお話ししています。
他にも、私たち視聴者は映画は完成したフィルムしか見れないので、
俳優さんの凄さとか、一つ一つのシーンがお話からカメラマンさん、
照明さんたちスタッフの方々とどのように作り上げいき
これで良いとしたのか、などが見えないのでわからないところを
わかりやすく語っていただいています。
私は俯瞰からカメラで撮る時に
歪みを出さない方法を現場から学んだカメラマンさんの
エピソードにハッとしました。
歪みって歪んでいるよと言われても
普通の人は見たことがないとわからないし、
見てもわからないという
たくさん見比べないと目が違いを認識できない部分なので
カメラマンさんの姿勢がとても参考になりました。
あと、福山雅治さん主演のそして父になるの
撮影現場で是枝監督が福山さんに耳打ちでこっそりと
「今のシーンの演技カッコ良すぎたのでちょっと・・・」（NGのこと）
と言った後に福山さんが
「素が出ちゃいましたか、」
と返したやりとりに吹きだしました。
和みましたね。
一方で樹木希林さんは凄さが桁違いで
庶民にはその凄さが理解しにくいんだろうなと
思いました。
樹木希林さんの凄さのほんの一部しか見えていない、
そんな感じです。
撮影中の俳優さんたちの演技を見て
「これはすごい」「このシーンはいい」と
素直に言って感動している是枝監督も印象的でした。
感性も作るのに必要なものですよね。
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下記は私の希望ですが、
是枝監督クラスが語る
映画作りに関する話をもっと取り上げてほしいです。
海外では映画作りなどのアカデミーや技術的な参考書が
たくさんあるのですけど
日本って少ないですよね。
だから日本映画についてを学ぶのが結構自力で
大変なのですよ。
素人とプロではやはり全然違うので
映画界や日本の文化芸術産業の永続的な反映のためにも
プロの方達には積極的に技術や撮影秘話などを
語っていただきたいと思います。
「是枝監督作品を通して学ぶ映像制作への取り組み方」は
その第一弾にし、繋がっていってほしいなとおもいます。
そういえば昔北野武監督が
東京芸大で映画の授業やっていませんでした？
有料でいいのでまとめてほしいですね。
生きている監督でぜひお願いしたいです。
本人が生存していないで違う人が作ると
違うものになってしまうので。
今後のColosoの日本映画や芸術関係者の講座を
引き続き作ってくれるのを期待しています。
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