特殊メイクアーティストの仕事風景を見てもう一度学び直そうと素直に思った

特殊メイクアーティストの仕事風景を見てもう一度学び直そうと素直に思った

最近特殊メイクアーティストのセミナーを見て
人間の肌を作るのが私が知っているやり方と全然違い
衝撃を受けたブログを書いたのですが
その後もっと知りたいと思いまして
特殊メイク関連を検索していた所
良い本に出会いました。

この表紙のセンスの良さ!
見た瞬間に買い注文入れました。

■顔に魅せられた人生
https://amzn.to/3wWOZGr

辻一弘さん、ご存知の方も多いと思いますが
2018年にアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング部門で
アカデミー賞を受賞された方です。
私もそのニュースを見ていたのですぐに思い出し、
アカデミー賞まで取る人が書いた本なら特殊メイクについて
色々と知る事ができそうだという思いもあって書いました。

家に届いて中身を開いて、そのまま止まりませんでしたね。
読みやすいうのもありますが、
辻さんはアメリカに長年住んでいるので
それが関係しているのか本の書き方が
洋書でよく見るタイプの映画的な見せ方。
映画1本見た感じでしたね。

始まりのプロローグがアカデミー賞の日の事で、
華やかな舞台の中に、その舞台に出るまでの
エピソード群が散りばめられ、辻さんの心理描写、行動を通して
辻さんの人となりがわかる。
辻さんにはトラウマ的なものがあり
幼い頃に親族にけなされて育った事で素直に喜ぶ事ができなかたそうです。
子供の頃からの親子関係、人間関係で自分がプログラムされてしまう事が
自分自身を縛ってしまう事、
アカデミー賞を通し、そういったネガティブの正体がなんなのかわかり
アカデミー賞を撮った後に変化した自分が、オスカー像をとった事より
収穫だった事がなんなのかが書かれプロローグが幕を閉じ、幼少期から現代までの
物語に入る。

この流れるようなストーリーも勉強になる1冊です。


辻さんはとんでもなく才能のある方なのですが
こういった方は最初から舞台が違うのですよね。
最初の仕事が伊丹十三監督作品、他に黒澤明監督作品を
日本にいた頃に手がけておりまして、
能力のある方はやっぱり舞台が違うなーと思いましたね。

そもそも特殊メイクに興味を持ったのが
辻さんの師匠のディック・スミスのリンカーンの特殊メイクを
見てだそうですが、どうやって特殊メイクを作るのかわからなくて
自分で道具や材料を買って見よう見まねで作ったそうなのですね。
当時は特殊メイクの学校も相談できる人もいなかったそうです。

辻さんが買っていた洋書にディック・スミスの私書箱番号が書かれていたので
「アメリカで特殊メイクの仕事がしたい、どうやってなれる?」
的な事を書いて送ったらディックから直直に返信が来て
「作品を見せてくれたら批評する」みたいなことが書かれていたから
作品の写真を送ったらそれに対しての返答があり、以後やりとりが開始された。
というわけで、このディックさんが伊丹十三監督作品に携わるから辻さんも
誘われて特殊メイクの仕事が始まったわけですよ。
舞台の登場人物が最初から凄すぎて
師弟関係の所もスターウォーズ見ている感じですね。

明るい華やかな部分の裏もありまして
冒頭に書きましたが
辻さん幼少期はあまり良くなかったようなのですね。
親子、親族関係が良くなかったようで、
裏表の激しい周囲の大人が本当は何を考えているか
見極めるために大人の顔色を伺っていた事が
当時は自己防衛だったようなのですが、
それが強力な観察眼になり、他の人には到底できないような
本物と同じ特殊メイクを作れる事につながったような
感じも見えます。

本人は幼少期に受ける親子関係、人間関係で苦しんだそうで、
幼少期に無意識にプログラムされる事の怖さについてや
それの解法も語ってくれているのですね。
クリエイター、アーティストは結構この人間関係問題抱える方
とても多いと思うので
その辺りも参考になる1冊ですね。

心理的なこともクリエイターには必要な要素と思いますので
その辺りが書かれているのはとても良いことです。

さて、本題の特殊アートの方ですが、
最初に黒澤明監督作品に触れたことで
見えない所、細部までのこだわりがみれた事が
良かった感じのことが描いてあるのですね。
黒澤明監督作品は私も大好きで
映像からもそのこだわりが見れるじゃないですか。

そういう「見ている方まで伝わる物を作るにはどうするか」
という点も何度か本の中に出てきます。

辻さんがそれまでの特殊メイクスタジオの作り方を
変えた事例もいくつかあって
眉毛の毛は先が細く鋭利になっているのを再現するに
○○の動物の毛を使い以後採用している。とか
髪の毛はつむじから円形に1本1本手で植えている。とか
眼球の毛細血管に京都の着物の切れ端が毛細血管のようだったから
以後採用している。とか。
他にも「そこまでやるの無理です〜」と思うような事がいっぱい
出てくるのですね。

あと、1つの作品を作るのに何ヶ月も何回もやり直して
作っていて、予算と制作日数の重要性も書かれております。
早ければ、安ければ良いのではないという点は賛成ですね。
商業作品はいろんな方が関わりいろんなことをみんな言うけれど
いろんなやり方を聞いて取り入れて作っても
何作ってるかわからない作品になりやすい、
要望を聞きながら自分もちゃんと入れる作品に仕上げる点について、
商業作品と自己作品についても辻さんは両方やられている方なので
その辺りの違いについてもとても参考になります。

書籍には辻さんの作った作品がたくさんあるのですけれど
それを見るとそこまでやってこれができるのかと思うと
「うん。これはやろう」
と思いますね。
こういうとんでもない作品を作ってみたい気持ちになるし、
もう一度1からやり直すことにも自然と導いてくれると
私は感じました。

特殊メイクの肌の色につけ方について興味を持って
それを知りたいと思い探しに出てみたら
とんでもないアーティストの凄すぎる仕事術に出会ってしまい
心が今も衝撃を受けておりますが
冒険に出て新しいアイテムを見つけた感じで
明日からの制作に「あれをやってみよう」「これをもっと突き詰めよう」
とか、めんどくさいと思っていた細部のこだわりを
やってみる勇気をもらいましたね。

本当に良い1冊でした。
また怠けたくなったら読もうと思います。
創作の刺激になるものは身近にあると本当良いのですよね。
この本はその1冊に加えます。


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