松本清張「黒い霧」

松本清張「黒い霧」

戦後米国の日本占領時代に起きたGHQがらみの怪事件の数々を扱う作品。
米軍の緻密な計画性と残虐性と殺害理由の不明瞭さにただただ驚愕。
そこに松本清張の推理が追加されるという見てはいけない小説を
見てしまったぐらいの見応えがあります。

しかし、米国人の感覚は全くわかりませんね。
本当に日本人にはない感覚で
こんなひどいを通り越してあまりにひどいことをするということの
的確な言葉が見つからないほど全てがとんでもない事件内容です。

殺害の方法が残虐すぎて唖然としますよ。
松本清張先生も本の中でおっしゃっていますが、
日本人の殺害感覚にはない方法で殺害しているのですよ。
怖いとかの恐怖心を通り越しすぎて宇宙の果てで起きている話の
ような出来事です。
残虐すぎてここでは話せませんが
一つ語るなら、帝銀事件という事件があります。

1948年1月26日に
東京都豊島区長崎の帝国銀行椎名町支店に現れた男が、
行員らを騙して12名を毒殺し、現金と小切手を奪った銀行強盗殺人事件。

引用:ウィキペディア

行員を装った犯人というのが
一人で帝銀椎名町支店の営業時間外に訪れて
働いていた16名の行員に嘘を言って信用させ、
毒物を飲ませて目の前で行員たちがバタバタ倒れていくのを
傍観しているのですよ。
4名生き残っていますが、犯人も毒物の飲み方を教えるために
毒物(犯人は毒物を飲んでいない)を行員たちの目の前で
飲むのですよ。

これ1回だけじゃなくて他の銀行でも
やっているのですよ。一人で。
恐ろしいですね。

しかもこの犯人は外見がいわゆるイケメン男だという。

一つの事件にたくさんの実際の証拠や証言、事件の背景が
語られているのですが
松本清張先生どうやってこの膨大な情報を
見つけてきているのか、その部分も驚愕です。

マンモス級の実話怪事件にマンモス級のスーパー作家が書いてますから
見ごたえなんてあって当然なのですが
こんなに一文字一文字をじっくり読みたい、追いたい、
と思う本もありません。

年末年始に読むには物騒すぎる本ですが
どんな映画や作り話よりも鮮明に記憶に残る本です。

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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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