文化庁日本を代表する漫画家の漫画資料保存方法を研究開始

文化庁日本を代表する漫画家の漫画資料保存方法を研究開始

私も研究チームへ加わり研究をしたいです。
まずちばてつや先生の原稿から研究開始。
対象物にネームが含まれてるのは素晴らしい!

ちば先生もご自身のブログでこの件について書かれていて
「これを機に、皆さんに漫画界の現状を知っていただく機会として、
また一緒に考えていただける
一助になるとしたら、こんなに幸せなことはありません。」
と語っていました。

◾️ちばてつや先生ブログ
「マンガの原画について」

https://ameblo.jp/chibatetsu/entry-12837093792.html

下記文化庁の調査研究についての記事です。

マンガ、アニメ、ゲーム等のメディア芸術は、広く国民に親しまれているだけでなく、新たな芸術の創造など我が国の芸術創造活動全体の活性化を促すとともに、海外からも高く評価され、わが国への理解や関心を高めています。

文化庁では、これまでもメディア芸術の振興に向けて、クリエイター等の育成支援、メディア芸術作品・関連資料の収集・保存・活用に向けた分野を横断したネットワークの構築やノウハウの共有の推進、全国の所蔵館等におけるアーカイブの取組への支援等の施策を実施してまいりました

近年、マンガやアニメ、ゲーム等の中間生成物等(原画やネーム等)の散逸や劣化の危険性が急速に高まり、その対応は喫緊の課題となっています。文化庁では、そうした課題への対応として、我が国を代表するマンガ家のちばてつや氏の協力の下、中間生成物等を対象に、整理・デジタル化のパターン検証等の工程・手法等に係る調査研究を行い、適正な保管や利活用に向けた検証を行います

本調査研究は、独立行政法人国立美術館等の助言・協力等を得て実施することとしており、得られた成果や課題については、今後、国立美術館におけるマンガ原画等の調査研究や展示等にも活かしていくこととしています。

引用:文化庁「令和5年度文化庁委託事業「漫画家ちばてつや氏のマンガ原画等を対象とした調査研究」について」

◾️文化庁
「令和5年度文化庁委託事業「漫画家ちばてつや氏のマンガ原画等を対象とした調査研究」について」


https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93991101.html

著名な先生方の漫画原稿及び執筆で書かれたもの
全てを国が研究、保管を行っていただけるのなら
こんなにありがたいことはないですね。

日本の手描き漫画の原稿はあれアートや芸術品と
同じようなもので
平安時代の絵巻もののように後世に残るものと思いますから
全ての漫画家の原稿をシェルター保管するくらいにして
良いのではないかとおもいます。

なぜ全員を残すかというと、どれの原稿が後世まで
漫画を描かれた時の形を維持したまま
残るかどうかは今はわからないじゃないですか。
漫画原稿の保存はこれまでやってこなかったことですし。

描かれた時に使った紙やインクやホワイトやメーカーによって
どれを使っていたら残るかもわからないですから
研究段階で可能な限り
手描きの原稿を研究に使っても良いという
多くの漫画家に協力してもらって
自分の描いた一枚の原稿に
使った道具、道具のメーカー、を全部書き出してもらう
ことも研究に必要になるのではないかと思います。

写植は編集さんたちに聞かないとわからないかな?

考えたら他にも案や懸念事項など
たくさん出てくると思いますが
すごい研究ができて本当に良かったなと思います。

私も漫画の手描き原稿やこれまで描いてきた試し描きや
手書きのネーム、プロットを全て自宅保存しています。

自分の原稿の保管を考えたことはこれまでにあり、
考え中に他の有名な漫画家先生方の手描き原稿は
どうしているのか気になったことがあります。

有名な先生方の原稿は保存すべきじゃないかと
未来永劫紙の原稿を経年劣化せずに保存するには
どうすると良いか
真面目に考えたことがあったのですよ。

漫画家の先生って描いた後は
無頓着な方も結構いると思いますから
原稿が出版社の名前の入った封筒に編集部から返却された状態のまま
押入れなどに積まれている方も多いと思います。

原稿の数が多いので、保管も大変なのですけど
原稿を描いていると保管のことまで手が回らないので
放置になってしまうのではないでしょうか。

昔、一条ゆかり先生のコメントか何かで見た時
(「一条さんちのお献立て」の本だったかな?)
原稿を保管する専用の棚をご自宅に作っていたのを
写真で見た気がするのですが
そういうことをしている方は今でも
珍しいと思います。

自宅での保管場所は
とにかく、湿気のない太陽光が
届かない場所が良いですね。
建物によっては
押入れがカビることもあるので
引越しの際は
湿気がなさそうなところがある室内を
選ぶのが私の物件探しのポイントの一つですね。

紙の原稿には
原稿に貼られた写植やトレーシングペーパー、
セロテープが貼られていたりします。
そういうものは
10年も経つとノリが弱くなって剥がれ落ちたり
セロテープが黄ばんで原稿にも黄ばみが浸透して影響を及ぼしますね。

黒ベタも種類によっては色褪せしますし、
ホワイトも種類によってはカピカピになってひび割れや
原稿から剥がれ落ちを起こします。

トーンも昔のもので種類によっては接着のノリが弱くなって剥がれますね。
黄ばんでいたり、伸びてしまっているものもありますね。
しかし、90年代後半の割とトーンの種類が豊富になってからは
接着のノリも良くなったので綺麗な状態を保っているように思います。

原稿以外にの
鉛筆書きで上質紙などに書かれたものは
陽の光が当たらない暗いところに保管してあれば
紙が古くなる程度で鉛筆書きが消えはしないですが
光が当たるところで放置していたら薄くなっていると思います。
となると、鉛筆描きが主なプロットやネームは
保存方法を早く決めたほうが良いですね。

ちなみにファックスの感熱紙に印刷した文字や絵は
暗いところで保管しても跡形もなく消えていたりしました。
それについては以前このブログで書きましたね。

他にも原稿以外のネームやプロットや試し描き
についてブログで語ったことが何回かありましたので
そこで役立ちそうなものが書かれている可能性も
ありますから、振り返ってみたいと思います。

今回の文化庁さんの漫画原稿の研究について
漫画原稿が本当にシェルター保管になり
何千年先の未来人が見ていることを
想像すると楽しいですね。
良い夢を見せてもらったような気持ちになりました。


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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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