寺山修司監督脚本原作映画「田園に死す」

寺山修司監督脚本原作映画「田園に死す」

この映画からいくつか同様の演出が見られる舞台テラヤマキャバレー。
本人以外には作り出せない寺山世界を存分に見ることができる映画。
やっぱり寺山はこういう世界よ。テラヤマキャバレーはパロディーですね。

「田園に死す」は1974年公開作品で、
寺山修司の自伝的作品でもあります。

大人になってこのシナリオを書いている(映画を撮っている)現在の私と、
登場人物の少年時代の私がシナリオの中で出会い、
共に過去をのぞき見しながらその情景を吟味し、修正していく。
そこに真実は求められていない。豊穣な情緒が圧倒的に渦巻いているのである。

引用:田園に死す 浪漫堂シナリオ文庫 

映画の中で登場している人達が顔に白塗りを施していたり、
故郷の人々やサーカスの劇団員達が皆クセの強い人々ですが、
それをスムーズに見せられるのは、寺山修司が産んだ人達でもあるので、
一人一人の人生観がちゃんと見えることから、
通常なら変わった人と見えるクセの強い人達も、
寺山修司の作る映画の中ではその人達を普通に見ることができるのだと
思うのですね。

といっても下記のような外見をした人たちや世界観なので、
寺山修司の世界観は好き嫌いが明確に別れます。

引用:田園に死す
引用:田園に死す
引用:田園に死す
引用:田園に死す
引用:田園に死す

この世界観なので、
好きな人は本当に好きだし、
この世界が無理な人は全く意味がわからないともいいます。

多くの方々に影響を与えた映画なので、
この映画からインスパイアして作った作品も
多く見受けられますね。

寺山修司は若い人にも人気があり、
私も20代の頃に、10代の若い女の子と
寺山修司の話をしたのを覚えています。
若い世代には寺山修司は響くのですよ。
ですから毎年、寺山修司の文庫が若い子に受けそうな表紙に
新装丁されて発売されているのを見てもわかると思います。
90年代以降から続いていた現象です。

今の若い子は特に聡明ですから
寺山修司くらい知っているのは当然だと思いますけど、
舞台テラヤマキャバレーでは
2024年の新宿にいる女の子達は寺山修司を知らないと言う
設定にしていて残念でした。

若い子は知らないというバイアス、固定観念、
何を作るにしても、想像や決めつけで人を作ることの愚かしさを
作り手が行なってしまうのはいかがなものかと思いますけどね。

舞台テラヤマキャバレーを今日見に行ったのですが、
あれは完全なパロディー作品です。
寺山修司とは別物のテラヤマシュウジが
主人公の作品です。
ですから漢字名ではなくカタカナ明記で「テラヤマ」と
しているのかなとも見れます。

舞台「テラヤマキャバレー」を寺山修司作品と思って見てしまうと
内容と世界観が非常に軽すぎて違和感しか感じないです。
別物なんだと思って舞台「テラヤマキャバレー」を見ると
歌って踊るミュージカル作品として良いのではないかと
見ることができるかと思います。

寺山修司没後40周年企画でさまざまな寺山修司企画が
昨年から公開されていて、
「田園に死す」の舞台も2024年3月にあるそうなのですが
チケットがSOLDOUTなんですよ。残念です。

寺山修司の詩集もとても良いですよ。
私が若い頃に寺山さんの詩集を読んで
一気に心を持っていかれた詩を一遍紹介します。

寺山修司『海の詩』
なみだは
にんげんのつくることのできる
一番小さな
海です

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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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