見たことないゾウを想像で描いていた中世の画家たち
ゾウだと言われないと気が付かないようなゾウですが、
下記、「ロチェスター動物寓話集」の挿絵の中にいるゾウは
上図:左側
下図:中央と左側
です。
1250年ごろの絵です。
このゾウに乗って戦いしている姿はシュールですね。

見たことがないのでしょうがないですけど
見たことなかったらこういう絵になりますよね。
いろんな動物のいろんなパーツが混ざった形で
今の時代で言うAI絵みたいです。
中世時代の画家たちが、現物や資料がなくても描かざるを得なかったわけは
人々の道徳観をつくり上げることも仕事の重要な一部だったそうで、
正解かどうかより、世界にはこう言う動物がいるのですよと言う情報を
示す程度だったようにも感じます。
下記は
イタリアのサンタ・マリア・アッスンタ大聖堂の回廊にある
後期ゴシック様式のフレスコ画です。
教会の絵なので聖書の中のエピソードを絵にしたものですね。
聖書のエレアザル・アヴァランの物語だそうです。
中央にゾウがいます。メルヘンチックですね。
それと、中世ヨーロッパは背中に箱乗せた兵士好きですね。
ゾウの下に人(エレアザル)がいて、この人がゾウの腹に剣を突き刺し
倒れたゾウの下敷きになってエアザルはなくなってしまうそうです。
人間とゾウの比率が微妙なので剣でさせそうにも、ゾウの下敷きになりそうにも見えませんが
架空のお話なので、お話通りに事は進んだと見ましょう。

こういった現物を見た事ないけど描かざるを得ない状況や
見た事ないけど描いてみる自由なお絵描きなどから
架空の生き物である麒麟やユニコーンなどが発生し
高い認知度を得ているところもあるので
想像で描くのも良いと思いますね。
私は描けないですけど
ドラゴンなんかの絵は本当にかっこいいじゃないですか。
見た事ない生き物をよくあそこまで昇華して描くことができると関心しますね。
◾️見たことがないゾウを、中世の画家はどう描いたのか?
ナショナルジオグラフィック
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/080400404/?P=1