若山富三郎さんの快演が光る映画「怪談お岩の亡霊」(1961):創作強めの異色お岩物語
怪談お岩は、夫に殺されたお岩が夫を恨んで幽霊になり復讐を果たす物語で、
お岩の恐ろしさが印象に残る怪談です。
しかし「怪談お岩の亡霊」では創作がかなり加わり、お岩は哀れな存在として描かれる一方、
その周りには極悪人ばかりが登場します。
よくそんなセリフを思いつくなと感心するほどの酷さで、
逆に感心してしまうほどです。
主演の若山富三郎さんに至っては本当にクズなのでは?と疑うほど。
通常、映画の悪役は「演じているな」とわかるのですが、
若山さんはあまりにリアルすぎて本物のクズに見えてしまいます。
また若山さんは柔道五段なので、暴力行為の迫力が普通の人よりも増して見え、怖さが倍増します。
そして狂ったように暴れる若山さんを三人がかりでようやく仕留めた時には、
本当にホッとしてしまいました。
若山さんの周囲の人物たちも最低で、前編を通してクズ発言が連発します。
そんな極悪人の若山さんを好きになる金貸し屋の小娘の心理も理解できませんし、
娘の両親が若山さんと娘を結婚させるためにお岩に毒を盛るという行為に出るのも、
本当に理解できません。
お岩の幽霊ぶりに少しヒヤッとしようと言う程度で
視聴した私は終始目が点で、怪談・幽霊よりも恐ろしいものがあるのかと
驚いた映画でした。

1961年公開「怪談お岩の亡霊」の悪行行為
・若山さんをはじめ、登場人物たちの口の悪いセリフ(感心するほど)
・若山さんのDV行為
◾️ お岩へのDVで、蚊帳を掴んでいるお岩を力づくで剥がし、指の爪が何本も剥がれる衝撃シーン
◾️ 薬を盗んだ下男・小兵をDV後に殺害し、川へ捨てる
◾️ 按摩の宅悦にパワハラおよびお岩への不倫行為を強要
◾️ お岩の妹・お袖への扱いも酷い
若山さん以外のキャストの坂東好太郎さん、近衛十四郎さん、伏見扇太郎さん、
尾上鯉之助さん、渡辺篤さん、桜町弘子さんなどは
明るい印象が強いので、映画の内容のダークさを中和していた点は、
前編を視聴するうえでプラスになったと思います。
作品が怪談だからとダークな役者ばかりを揃えていたら酷さが倍増し、
逆に最後まで見られなかったかもしれません。
「怪談お岩の亡霊」では若山さんのみがダークな印象を持つ役者だったため、
主演の悪さも引き立ったように見えました。
こうした陰陽バランスの配役でしたのであまり悪い印象に思いませんでした。
1961年公開「怪談お岩の亡霊」のあらすじ
江戸文学の名作、鶴屋南北『東海道四谷怪談』を土台とし、腐敗や頽廃、そして色欲・物欲が渦巻く当時の世相を色濃く映し出した本作。
御家人・民谷伊右衛門は、貧困と荒れた生活の底で喘ぎながらも、なお仕官への未練を断ち切れずにいた。恋女房のお岩も、無頼に落ちた伊右衛門に愛想をつかし、父・左門に連れ戻されてしまう。
そんな折、伊右衛門は博奕仲間の薬売り・直助と共謀し、四谷左門を斬殺。お岩と妹・お袖を引き取ることになる。さらに、お袖には直助の「内縁の妻」として振る舞うよう諭すのだった。
一年が過ぎ、一子を産んだお岩は産褥に伏せ、美貌もかつての面影を失いつつあった。伊右衛門は、そんなお岩を次第に疎ましく感じ始める。
そこへ、隣家に金貸しの伊勢屋喜兵衛が引っ越してくる──。
下級武士・民谷伊右衛門が追い詰められてゆくエゴイズムの果てを描き、妖気を帯びた不気味な世界が加速していく。
「怪談お岩の亡霊」の視聴方法
東映オンデマンド加入で見れます。
単品購入も可能です。
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