外交機密費資料上海六三邸でリットン調査団を芸妓接待した記録

外交機密費資料上海六三邸でリットン調査団を芸妓接待した記録

ウイスキーや炭酸など召し上がったようです。
他は諜報活動やメディア対策が目立つ支払内訳書など、
機密費から見る日本史、政治も面白そうですね。

引用:満州事件に関わる外交機密費の史料。
上海六三邸でリットン調査団を芸妓接待した記録(1932年 上海総領事館)(左)、諜報活動やメディア対策が目立つ支払内訳書(1932年 青島総領事館)(右)
出典:外務省外交史料館
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/TS/19/teikyo13/

リットン調査団とは国際連盟の調査委員会。
満鉄を爆破した柳条湖事件の調査に派遣された調査団です。

日本史にも載っているので有名な調査団ですが、
満州事変以降の日本史は真剣な顔しながら読むような
重い内容の連続ですが、
「リットン調査団を芸妓接待した記録」という話題を見て
一気に軽さを感じてしまいました。

あの時、芸妓接待をする余裕あったんだと思いましたね。

この資料の出所は、ナショナルジオグラフィックです。
「近代日本の機密費を探査し 現代社会の透明性のための示唆を得る」
というタイトルで発表されている、
帝京大学の小山 俊樹 教授の研究です。

近代日本政治の「機密費」の使徒を明らかにすることで
激動の時代の裏側を読み解こうとしているそうです。

政治の「機密費」というと真面目に使われているイメージがあるのですが、
リットン調査団に芸妓接待をしたという事実と、
昨今の政治家のお金にまつわる騒動を見ていると、
私が勝手に理想を描いてしまっていただけで
事実はしょうもないことをやっていたのかもしれないと
思いました。

「機密費」から見る歴史は
新事実の発見がたくさん出てくる可能性が見られるので、
小山 俊樹 教授の動向は注目していたいですね。

ナショナルジオグラフィックに掲載されている
小山教授の話によると、
機密費の多くは戦後に焼却されてしまったそうなのですが、
戦前に内閣総理大臣を務めた西園寺公望邸に
内閣機密費の使途に関するさまざまな情報が記載された
領収書や銀行口座書類などの原本が残っていたそうです。

その中には、懇意にしている新聞記者への選別に機密費から出資したり、
メディア(通信、新聞)へ資金援助が行われていたりしたそうです。
当時もそんなことをしていたのですね。

その他、五・一五事件の背景にある“政治と暴力”の問題に着目する話や、
新発見などもあり、とても興味深い内容でした。

◾️「近代日本の機密費を探査し 現代社会の透明性のための示唆を得る」
ナショナルジオグラフィック

https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/TS/19/teikyo13/

ちなみに小山 俊樹 教授は
五・一五事件-海軍青年将校たちの「昭和維新」 (中公新書 (2587)) 新書
を書かれた方です。
戦前の資料本の中でも有名な本なので、
ご存知の方も多いと思います。

◾️五・一五事件-海軍青年将校たちの「昭和維新」 (中公新書 (2587)) 新書

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冒頭の画像は「外務省外交史料館」のもので、
こちらはどなたでも無料で見学できる史料館です。

なお、現在外交史料館の展示室は外務省の建物のお隣にある
麻布台ヒルズ森JPタワー5階へ移転中です。
2024年4月6日よりリニューアルオープンします。
私も見に行こうかなと思います。

下記外務省史料館の案内です。



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松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

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