五島プラネタリウムの怪物
渋谷大和田図書館入口に展示されていたコイツはプラネタリウムだそうだ。
それと知らず撮影した私の写真が１枚目。コイツが活躍していた時の姿が２枚目。
立ち姿がカッコ良すぎ。
コイツを調べコイツを怪物と表現した人物は幼少期にコイツと出会い
NASAのJPL技術者となった小野雅裕さんだった。繋がりにびびった。
小野さんのような専門家が見るとコイツは怪物なのだそうだ。
”二つ頭に蜘蛛のような足、双方の頭に数十の目のようなレンズを持つ”
コイツのことをそう表現する小野さんの感覚はとても納得するものだった。
仮想現実で何でもありの2023年現在でさえ、過去のコイツの姿は奇妙に感じる。
ドイツ製で異国のモノでもあるから余計にそう見える。
幼い僕の心を魅了したのは星々の美しさだけではない。ドームの中央には、黒い不気味で巨大な機械が、星空を背景にそびえ立っていた。 1957年に輸入されたカール・ツァイス製のプラネタリウム投影機。ダンベルのような二つ頭が蜘蛛のような足で支えられていて、双方の頭にはそれぞれ数十の眼のようなレンズが並んでいた。「怪物」と形容するしかない不気味さだった。その醜い形の怪物の眼からあれほど綺麗な星々が投影されるのが不思議だった。
引用：五島プラネタリウムに棲んでいた怪物 小野雅裕のブログ
https://hiroono.com/ja/2018/10/02/goto_planetarium/
小野さんのブログは、コイツが活躍していた
渋谷東急文化会館８階にあった五島プラネタリウムのある
渋谷の街の当時と現在の変貌と、初めてコイツと出会った時のこと、
その後NASAで宇宙探査に携わるようになったこと、
そして再びコイツと再開した時のことを書いていますが
非常に素晴らしい文章で現実の出来事なのに、小説を読んでいるようでした。
ぜひブログも読んでみてください。
◾️五島プラネタリウムに棲んでいた怪物 小野雅裕のブログ
https://hiroono.com/ja/2018/10/02/goto_planetarium/
２枚目のコイツのかっこいい写真は、「天文博物館五島プラネタリウム、スタークリック編集部」という
Webブログで見つけたのですが、当時コイツが活躍していた時のリアルな姿を丁寧に紹介しています。
今はブログは休止となっているようですが、
ここまで五島プラネタリウムについて細かく説明されている解説はないので大変貴重な資料です。
当時のリアルな舞台裏が見れます。
◾️天文博物館五島プラネタリウム、スタークリック編集部
http://www.starclick.ne.jp/backnumber/2000Sum/goto/goto.html
最後に、私が現在コイツが無造作に置かれている
渋谷区大和田図書館入口で見つけた五島プラネタリウムの制作に携わった方の解説が書かれた
パネルを置いておきます。
コイツの正式名書は「ツァイス4型プラネタリウム」です。
1957年ドイツツァイス社製のツァイス4型プラネタリウム。
五島プラネタリウムの学芸課長になる方に誘われた河原郁夫さんが当時のことを振り返っているのですが
カール・ツァイス社の技術者２名が突貫で組立て調整し、完成したのが開館の数日前、
辞書片手にドイツ語を必死に覚えて質問をし、プラネタリウム実演時の解説をするに
アナウンサーから特訓を受けたりと専門外のことも何でもやり、
スリルを感じる仕事風景に思わず身震いしましたね。
五島プラネタリウムの開館後は大変な盛況だったようで、
プラネタリウムのある８階から地下１階まで人が並んだそうです。
１日８回投影、正月も開館というのですから、すごい人気ですよね。
こちらのパネルには当時のデータも記載されており、
使用カメラ、レンズ、レンズ口径、焦点距離やシャッターなども記載されています。
この、1957年ドイツツァイス社製のツァイス4型プラネタリウムが
展示されているのは、渋谷駅西口方面から１０分程度の所にある
「渋谷文化総合センター大和田」という施設の
２階、大和田図書館入口隣にあります。
文化施設なので、渋谷区の文化伝統の展示や活動、コミュニーティー施設や
飲食所、そして「コスモプラネタリウム渋谷」があります。
◾️渋谷文化総合センター大和田
https://shibu-cul.jp/
小野雅裕さんのTwitter。
宇宙への情熱はお父様がくれたものだそうです。
小野さんはドラマを持つ人ですね。