漫画を年代別に合わせて描く事が具体的にわかる１冊と説明について

漫画を年代別に合わせて描く事が具体的にわかる１冊と説明について

この本が発売されて読んだ時に、
これほど読者のターゲットを明確にして
漫画を描き分けることに徹底した事は驚きましたよね。

内容は同じで、年代別に漫画の見せ方を変える。

この年代にはこれと、これを使う。
この年代はこれと、これと、これと、これ。
この年代はこれと、これと、これと、これと、あれも入れても大丈夫。

という具合に年代が上がるごとに漫画の要素が加算されていく。

漫画マニュアルの中の色々な要素も、
全てが全年齢に必ず取り入れる必要はなく、
この要素はこの年代から追加した方がスムーズ読むことができる。
この年齢以下はこの要素は使わない方が良い。
というように選んでいたりする。

漫画の１コマ目、青年誌やレディース系は割と景色から始まることが
圧倒的に多いですが、子供向けはキャラはじまりが多いです。
特に子供向け少女マンガは多い。
街の景色なんて子供向けはどうでもいい。
景色よりおもちゃ、自分に興味の持つ何かしか関心を示さない。
なので、いきなりキャラはじまりでいいから
キャラの面白さだったり、気になる事やこの子どうしたのかな？
という絵を入れていた方がいいのですよね。

年代別による漫画の始まり方もこちらの漫画は
はっきりと違いを出して描かれています。
前置きが長くなりましたが、
その漫画とはこちらの漫画

ドラえもん０巻

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ドラえもん０巻
意外でしたか？

2019年に出た漫画ですが、
学年誌で1970年に同時スタートした
第一話を集めて０巻として発刊したものです。
同じ内容で年代に合わせて書き分けるなんて「技」ですよ。
そんな漫画マニュアルはこの本しかないと思います。

とても貴重な一冊です。

漫画の中の「説明」

ドラえもん０巻で象徴的なのが「説明」だと
私は思うのですが、
漫画の中で何か不思議な出来事が起こった。
そんなとき、その出来事が起きた「説明」を
セリフで書く事が見られます。

この説明ですけど、
必ず書く必要がある要素ではないのですよね。
漫画に説明が必要なのは大人の漫画で
子供向けって説明がいらなかったりする。

説明が必要なほど複雑なものを子供向けで提供していない
という事もあるのですけど、
子供って割と見たままを受け入れやすいです。
説明がなくても別に気にならない。

『宇宙人や幽霊と友達になれるのは子供』
『大人は宇宙人や幽霊のような
得体の知れないものが現れた理由の説明が、
言葉で具体的に伝えられないと理解しようとしない方が多い。』
疑念ですね。

多少の説明、
例えば幽霊が突然現れたら
「あなたはどこからきたの？」
「〇〇だよ」
というような簡単な説明くらいは
初めにある事はあります。
しかし、次から次へ矢継ぎ早の説明は
子供向けはとりあえずなくてもいい。
説明よりも一緒に遊んじゃったりして
主人公が小さな危ない目にあって
幽霊が助けてくれたりするような話の方を優先する。
幽霊に主人公が感心を持って
「君、そういえば名前は？」
「〇〇。」
なんていう感じに、説明を要所要所で入れていく。

説明は必要ではあるけれども、
一気にまとめて語るより、
説明を細かく分け、
細分化した１つの小さな説明を１つの小話（エピソード）のなかで
一つづつ解明していく仕組みにするとよいです。
段々と幽霊の正体、主人公の元へ来た事、目的、
なんかが明らかになっていく感じ。
こっちの方が
漫画の説明漫画や、説明セリフっぽくはならない気がします。

疑問で次に繋げていく使い方もありますよね。
「この人今どこから出てきた？」
それは次の小話（エピソード）の中で判明する。みたいな。
で、また疑問。
「この人名前なんだろう」
あ、疑問を並べすぎるとギャグになってしまいますので止めます。

子供向けで説明する時は
一言レベルで終わる内容程度の方が良いですね。
長い説明が必要な事柄は極力入れない選択をしたり、
説明を小分けにする。

そんなところですね。

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