漫画投稿者や新人漫画家のお悩みを編集者が大量に回答しているよ

漫画投稿者や新人漫画家のお悩みを編集者が大量に回答しているよ

2003年から2015年まで行われていた
編集者さんが主に投稿漫画家さんや新人のプロ漫画家さんの質問に回答していた
Webサイトがあります。
質問回答はどれもなるほど、と思うところが多く
本当の編集さんが答えていたと思われます。
同じような質問が多いことから終了したようですが、
質問の多くは新人さんや投稿者さんが抱く内容なので
参考になると思います。

お悩みを分類すると大体下記。
・編集者関連 90%
・漫画制作関連 8%
・雑誌選び、移籍関連 2%

◾️新人マンガ相談室!! MANGA GAI
http://www.manga-gai.net/mangakasoudan/01_shinjin.html

また、女性マンガ誌の女性編集者さんが回答する
新人賞へ応募するときの漫画を作る上での
参考も2つありましたので引用しておきます。
女性の編集者さんは男性編集者さんのようには
表に出てこないので貴重な意見と思います。

新人さんいらっしゃ〜い!!その1(女性誌編) MANGA GAI

「読みやすさって大事ですヨ♡」

 女性誌で編集やって十余年……、すっかり語尾に「♡」をつけるのが板についたオヤジになってしまいました。今、新人賞とセミナーを担当してます。 新人賞は男性誌と基本的には同じですが、セミナーはデビュー前の新人のスキルアップのためのものです。ほんとに基本的な部分から、もろもろアドバイスしていく感じでしょうか?
 
 どの雑誌も基本的には同じですが、新人は金の卵、次の時代を担う雑誌にとっての新鮮力です。ただデビューしたからといって、アイドルのように一気にスターダムへ……ということはなく、デビュー前と同じ地味な作業に編集との打ち合わせが加わります。

 「どんな作品がデビューするのか」よく投稿者に聞かれることなのですが、デビューする新人には一定の特徴があるので、その辺をちょこっと書いておきます。基本的にデビューする作品なので、絵が上手い上に話もしっかりしてることが前提なので、その点は日々精進してください。
 
 1. 最初の見開き2pで主人公のキャラクターがわかる、あるいは作品の世界観がわかる作品が多いです。少なくとも主人公が誰かわからない、8ページくらいに出てくる、というような作品は記憶の限りではデビューしたことないと思います。

 2. ネームがコンパクトで読みやすいこと。テンポよく読めるというのは作品にも入りやすく、キャラクターにも感情移入しやすいことなのです。

 3. 心理ネームは必要最小限で使うこと。心理ネームには主人公の感情や心情を表す、あるいはある程度の状況を表すものですが、多用するとうざったいので注意を。

 4. 変型ゴマは、効果として必要なときのみ使うこと。見せ場で使うことは否定しませんし、使い方が上手い人もいます。でもそうでないと……読みづらいものなのです、意外と……。

 という感じです。一言でいうと「読みやすくて分かりやすく描いてね」ということなんですけどね。ちなみにこう言ったことはプロとして仕事をしている方々はみんなそうだったりします。どんなに漫画に対する熱意や心意気があっても、読む人あっての漫画です。その熱意や心意気が読む人に通じて 初めて、描き手の伝えたい事が読者に伝わるのです。
(とういうことで1回目おしまい。2回目は熱意と心意気って感じで考えてます)
 
 【女性誌編集者・O/2004年4月】

引用:新人さんいらっしゃ〜い!!その1(女性誌編) MANGA GAI
http://www.manga-gai.net/mangakasoudan/_mangakasoudantop.html

新人さんいらっしゃ〜い!!その1(女性誌編) MANGA GAI

「自分の願望が一番大事!!」

 うちの新人賞でデビューする人の大半は、OLしてるとか派遣社員で働いているとか、あるいは現在は主婦で昔OLしてたとか、仕事をしてた経験のある人がほとんどです。まれに学生とかアシスタントをしてた??という人もいますが、意外に少ないです。9時~5時の仕事しながら夜描いて投稿し てる人、多いんです。
まあ、20代30代の女性相手の雑誌なので、漫画の中の主人公もなんらかの仕事をしてる設定多いですから、恋愛面もそうですが現実部分のリアリズムが必要にはなります。描く方もそうですが、読む方も大人ですから。

 ただそれが絶対必要かというと、そうでもなく、それを上回る作品やキャラクターの魅力があればいいのです。ぶっちゃけ「面白ければそれでいい」のですが、そう言われても困りますよね。ただやはり読者と同じような年代だと、共通の悩みや苦労を抱えている分、読者にとって共感しやすい、そして編集サイドもそれに沿うものを選ぶ傾向はあります。そしてそう「言い切れない」のは、そうでない作品もデビューしているからです。ですから大事な ことは、「取りあえず自分が描けるモノを描く」ことしかないと思います。 自分の「思いのすべてを叩き込む」、「自分の経験を生かす」、その上で「漫画として面白い」ということが大事かと。

 もう一つ、女性誌ならではのことを。よくデビュー前やデビューしてすぐの方に聞かれるのが、「恋愛漫画じゃなきゃダメですか?」ということです。 ダメなことはありません。ただもう一度自分の心の中の願望を考えてみてください。「いい男と付き合いたい」とか「いい男と結婚したい」という願望あるでしょう? 「願望や欲望を漫画にする」、この点は男性誌でもそんなに変わらないことだと思います。自分の持っている欲望や願望は、読者の欲望や願望でもあるはずです。

 その部分を突き詰めた上で、たまたま描こうとする漫画が恋愛モノでなかった 場合、それはそれでいいのではないでしょうか? 読む方にとって分かるように描く必要はありますが、自分自身の中で突き詰めた上で出された作品であるなら、そういう部分は読者にとってもある願望だと思うからです。上で書いた「そう「言い切れない」」作品は、多分そういう所から生まれた作品なのだと思います。

 仕事をしながら、他のバイトをしながら、大変な思いをして描いているわけです。どうせなら、描きたい世界やストーリーを思いっきり描きましょう !! それが読み手にとって、魅力的で楽しいことが一番大事なのですから !!

 【女性誌編集者・O/2004年5月】

引用:新人さんいらっしゃ〜い!!その2 MANGA GAI
http://www.manga-gai.net/mangakasoudan/02_04irasha2.html

ちなみに少年誌青年誌への新人賞応募では下記があります。
こちらは男性の編集者さんが回答しているようです。

◾️ズバリ新人賞のコツ!!(少年誌編)
http://www.manga-gai.net/mangakasoudan/02_01kotsu.html

◾️選考の裏側 新人マンガ賞考(青年誌編)
http://www.manga-gai.net/mangakasoudan/02_02uragawa.html

みなさん漫画制作頑張ってください。

私の「少女マンガの作り方」も漫画を描く基本が書かれていますのでどうぞ。

最新情報をチェックしよう!
>松元美智子クリエイティブブログ💖公式

松元美智子クリエイティブブログ💖公式

松元美智子 1996年少女漫画雑誌「ちゃお」デビュー/漫画家/イラストレーター/3DCGゲームアニメーター/書籍執筆/投資家/Python/UE5/最新刊「少女マンガの作り方」/Web「松元美智子クリエイティブブログ♡公式」で過去の漫画や制作に役立つ情報毎日投稿中/法政大学経済学部経済学科通信教育部生/メンタル心理カウンセラー

CTR IMG